研修の内製と外部研修をどう使い分ける?判断基準と記録の残し方
こんな場面で判断に迷っていませんか
年度の研修計画を立てる時期になると、外部研修の案内がいくつも届きます。内容を見て「これは受けさせたい」と思うものもあれば、「これは自分たちで作れる内容だな」と感じるものもあります。ただ、予算と人員配置の制約の中で、どこまで外に出し、どこから自前でやるかを毎回その場の判断で決めている事業所も少なくありません。
外部研修に人を出すたびに、シフトの調整、移動時間、参加費がかかります。一方で内製の研修は、講師役の職員の負担が特定の人に偏りがちで、ネタが尽きてくると同じような内容の繰り返しになってしまいます。どちらも際限なく増やせるものではないので、線引きの考え方をあらかじめ持っておくことが、年間計画を立てるときの助けになります。
まず自前でやるべきものを決める
内製に向いているのは、繰り返し行う必要があり、かつ自分の事業所の実情に合わせて内容を調整したいテーマです。虐待防止、感染症対策、ハラスメント対策、身体拘束の適正化といった、実施が求められている研修の多くはこれにあたります。
これらは制度の枠組みは共通でも、実際に運用する手順や記録の様式は事業所ごとに違います。外部の一般的な講義を聞くよりも、自分たちの記録様式やヒヤリハットの事例をもとに、内部で話し合う形のほうが実務に直結します。頻度も年に複数回求められることが多いため、外部に出し続けると費用がかさみます。
内製のもう一つの利点は、非常勤やパート職員など出勤日がそろわない職員にも届けやすいことです。読むかたちの教材にしておけば、集合研修の日程に来られなかった職員にも同じ内容を渡せます。誰がいつ受講したかを記録に残す仕組みさえあれば、内製でも運営指導で実施状況を示すことができます。
外部に出したほうがいいもの
一方で、専門性が高く、事業所内に十分な知識を持つ人がいないテーマは、外部に出したほうが確実です。医療的ケアの手技、リハビリ専門職の視点からの介助方法、権利擁護や成年後見の実務的な内容などは、資格を持つ講師や実務経験が豊富な外部の専門家から学んだほうが、内容の正確さと更新の速さの両面で安心できます。
制度の変更が頻繁にある分野も、外部研修が向いています。担当者が独自に調べて研修資料を作ると、解釈の誤りに気づきにくいことがあります。専門機関や職能団体が開く研修は、その時点の最新情報を反映していることが多く、内製よりも信頼性を確保しやすい面があります。
外部研修は全職員を対象にする必要はありません。代表者を数名選んで受講させ、事業所に持ち帰って共有する形にすれば、費用と移動時間を抑えながら専門性を取り込めます。誰を代表に選ぶか、その職員が持ち帰った内容を誰がどう展開するかまで、あらかじめ決めておくと運用がぶれません。
内製と外部をどうつなぐか
内製と外部は別々に管理するのではなく、一つの年間計画の中で役割分担として位置づけると整理しやすくなります。基礎的で反復が必要な内容は内製で年間を通して継続し、専門性が高く更新頻度の高い内容は外部研修で数回に絞って補う、という形です。
外部研修を受けた職員による伝達研修も、内製の一部として計画に組み込んでおくと、外部研修の効果を全体に広げられます。伝達研修の内容を簡潔にまとめて読むかたちの教材にしておけば、参加できなかった職員にも同じ情報を届けられますし、後から見返す資料としても残ります。
こうした基礎的な内製研修の土台として、福ひろばラーニングのような7分で読み終わるコースを使う事業所もあります。虐待防止やハラスメント対策など、繰り返し確認したい内容を教材化しておき、外部研修は専門性の高いテーマに絞って予算を回す、という組み合わせ方です。受講記録も残るため、内製と外部の両方の実施状況を並べて管理しやすくなります。
記録の残し方は、内製・外部を問わず統一しておくことをおすすめします。誰が、いつ、どの研修を受けたか、内製なら誰が作成し誰が確認したかを一覧で追えるようにしておくと、運営指導の際にも説明がしやすくなります。
まとめ
研修を全部内製で抱え込むと担当者の負担が偏り、全部外部に出すと費用と時間がかさみます。反復性が高く自事業所の運用に関わる内容は内製、専門性が高く更新の速い内容は外部、という役割分担を年間計画の段階で決めておくと、判断に迷う場面が減ります。記録の様式を内製・外部で統一しておくことも、後から実施状況を示す際に役立ちます。
出典・参考
※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。
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