看護師やリハ職に伝わる伝え方|介護現場で困らない多職種連携のコツ

カンファレンスで看護師さんに利用者さんの様子を伝えたのに、「それで、具体的にどう変わったんですか」と聞き返された経験はないでしょうか。自分では丁寧に説明したつもりでも、相手が知りたい情報とずれていることがあります。逆に、リハビリの担当者から専門用語まじりで話しかけられて、内容はなんとなくわかるけれど、自分の言葉でうまく返せなかったという場面もあると思います。

多職種と接する機会が多い仕事だからこそ、この「伝わらない」という感覚は地味にストレスになります。今回は、介護の現場で働く方が看護職やリハ職と話すときに、言葉選びで意識できることを整理してみます。

「伝わらない」と感じる場面はいつも同じ

振り返ってみると、伝わらないと感じる場面にはいくつかの共通点があります。

一つは、感覚的な表現だけで伝えてしまうことです。「最近元気がない気がします」「ちょっと動きが心配です」といった言い方は、介護職同士なら雰囲気で共有できても、看護職やリハ職には情報として弱く受け取られがちです。相手は、いつから、どのくらいの頻度で、どんな時にそう感じるのか、という具体的な材料を欲しがっています。

もう一つは、専門用語を使われたときに、聞き流してしまうことです。わからない言葉が出てきても、その場の空気を壊したくなくて「はい」とだけ答えてしまう。そうすると、後で自分がケアをする際に、なぜそのやり方をするのか理解しないまま実施することになり、結果的に本人にも聞き返しにくくなってしまいます。

こうした場面は特別な状況ではなく、日々の申し送りやちょっとした立ち話の中で普通に起きています。だからこそ、意識して言葉を選ぶ習慣が役に立ちます。

看護職・リハ職が知りたいのは「経過」と「変化」

看護職やリハ職と話すときに意識したいのは、「経過」と「変化」を軸にすることです。

看護職は、体調の変化がいつからどのように起きているかを把握したいと考えていることが多いです。「食欲が落ちている」だけでなく、「いつ頃から」「どのくらいの量が」「どんな時間帯に」という情報があると、判断材料として受け取りやすくなります。数字で言えなくても、「今週に入ってから」「以前は完食していたのが半分くらい」という程度の表現でも十分伝わります。

リハ職の場合は、動作の変化に関心が向くことが多いです。「歩くのがゆっくりになった」ではなく、「立ち上がるときに手すりを使う回数が増えた」「歩く距離が短くなった気がする」というように、動きの中のどの部分が変わったのかを伝えると、専門的な視点で受け止めてもらいやすくなります。

逆に、専門用語を使われて理解が追いつかないときは、その場で「それはどういう意味ですか」と聞いてしまって問題ありません。多職種で連携する仕事である以上、わからないことを確認するのは自然なやり取りです。聞き返すことを恐れるより、次に同じ場面で自分から使える言葉が増えることの方が、長い目で見て自分の仕事をやりやすくします。

資格の勉強が言葉選びの土台になる

こうした言葉選びは、感覚だけで身につくものではなく、体の仕組みや疾患、リハビリの考え方について知識があるほど、自然に精度が上がっていきます。介護福祉士の資格取得を考えている方であれば、勉強の過程で学ぶ内容がそのまま多職種との会話にも役立ちます。

たとえば、疾患の基礎知識や身体の仕組みについて学んでおくと、看護職が使う言葉の意味がなんとなくではなく、根拠を持って理解できるようになります。リハビリに関する内容も同じで、動作の分解の仕方や関節の動きについて知識があると、リハ職の説明を聞いたときに「ああ、あの部分の話をしているんだな」と自分の中で整理しやすくなります。

資格取得を目指して勉強を進める中で、こうした知識を少しずつ確認したいという方には、福ひろばラーニングで用意している介護福祉士国家試験の一問一答も使いやすいと思います。1,000問の中から20問までは無料で解けるので、まずは自分がどのくらい理解できているかを確かめる感覚で試してみるのもよいかもしれません。すきま時間に7分程度で読み終わるコースとして整理されているので、勤務の合間に少しずつ進めることができます。

資格取得はあくまで通過点ですが、勉強の過程で得た知識が、日々のカンファレンスや申し送りの中で実際に使える言葉に変わっていく感覚は、資格試験そのものの意味とは別に、現場で働く上での支えになると思います。

まとめ

看護職やリハ職と話すときに大切なのは、感覚的な表現ではなく「経過」と「変化」を具体的に伝えることです。わからない専門用語はその場で確認して、自分の中に少しずつ蓄積していくことが、次のやり取りをスムーズにします。資格取得のための勉強もこうした言葉選びの土台になりますので、日々の学びと現場での会話をつなげながら、無理のないペースで進めていただければと思います。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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