「社会の理解」が覚えられない人へ、自分の職場と結びづける勉強法

なぜ「社会の理解」だけ頭に入らないのか

「こころとからだのしくみ」や「介護の基本」は、日々の業務の中でイメージが湧きやすい科目です。体位変換の手順や、認知症の方への声かけの工夫は、現場で実際にやっていることと直結しているので、テキストを読んでも「あ、あれのことか」と結びつきます。

一方で「社会の理解」は、制度や法律の話が中心です。介護保険法がいつできて、誰が保険者で、どんな流れでサービスにつながるのか。こうした内容は、普段の業務の中で意識する機会が少ないため、言葉だけが浮いてしまいがちです。

つまり、覚えにくいのは能力の問題ではなく、単に「結びつける先が見つかっていないだけ」というケースが多いように思います。逆に言えば、結びつける先さえ見つかれば、案外するすると頭に入るようになります。

自分の職場の仕組みと照らし合わせて覚える

ここからは、通所介護(デイサービス)で働いている方を例に考えてみます。訪問系や施設系で働いている方も、自分の職場に置き換えて読んでみてください。

例えば「要介護認定」という言葉が出てきたら、自分の事業所を利用している方が、通所介護を使い始めるまでにどんな手続きを経てきたかを思い出してみます。ケアマネジャーから連絡が来て、利用開始前に契約書を交わし、ケアプランに沿ってサービスが提供される。この一連の流れが、そのまま「介護保険サービスの利用の仕組み」の説明になっています。テキストに書かれている図と、自分の職場で日常的に見ている流れが、実は同じことを指しているとわかると、急に理解しやすくなります。

「地域包括支援センター」も同様です。名前だけ覚えようとすると忘れてしまいますが、自分の事業所が連携している地域包括支援センターがどこにあって、どんな相談を受けているかを思い浮かべると、役割がイメージできるようになります。もし自分の事業所であまり接点がなければ、上司や先輩に「うちはどこの地域包括支援センターと連携しているんですか」と聞いてみるのも一つの方法です。

自費サービスを扱っている事業所であれば、「介護保険サービスと自費サービスの違い」も身近なテーマです。介護保険の枠内でできることと、枠外で提供している自費の訪問リハビリのようなサービスとでは、根拠になる法律や利用者の負担の仕組みが異なります。この違いを制度として理解しておくと、利用者や家族への説明もしやすくなりますし、試験に出てくる「社会保障制度の全体像」の理解にもつながります。

このように、テキストに出てくる制度用語を一つひとつ、自分の職場の具体的な場面に置き換えていく作業を続けると、暗記ではなく理解として頭に残るようになります。

覚えたことを試してみる

制度の言葉を自分の職場と結びつけて理解できたら、次はそれを問題を解く形で確認してみるのがおすすめです。理解したつもりでも、問題文の言い回しが変わると答えられないということはよくあります。

福ひろばラーニングには、介護福祉士国家試験の一問一答が1,000問収録されていて、20問までは無料で受講できます。7分で読み終わるコースが中心なので、休憩時間やちょっとした空き時間に、社会の理解の分野だけをまとめて解いてみるという使い方もできます。間違えた問題があれば、テキストに戻って該当箇所を読み直し、また自分の職場の場面に置き換えて確認する。この繰り返しが、制度の理解を確実なものにしていきます。

なお、受験資格の詳細や試験の実施時期については変更されることがあるため、詳しくは公式の案内をご確認ください。

自分の言葉で誰かに説明してみる

理解が進んできたら、覚えた制度の内容を誰かに説明できるかどうかを試してみるのも効果的です。休憩中に同僚に「要支援と要介護ってどう違うんだっけ」と聞かれたときに、自分の言葉で説明できれば、その部分は本当に理解できているということです。逆にうまく説明できなければ、まだ丸暗記の段階だとわかります。

説明する相手は、同じ資格取得を目指している同僚でも構いませんし、家族に話してみるのでも十分です。声に出して説明することで、頭の中で整理されていなかった部分が見えてきます。

まとめ

「社会の理解」が覚えにくいのは、内容が難しいからというより、普段の業務と結びつけて考える機会が少ないからです。要介護認定の流れ、地域包括支援センターとの連携、介護保険サービスと自費サービスの違いなど、自分の職場で実際に起きていることに当てはめて考えると、制度の言葉が具体的な意味を持ち始めます。理解できたら問題を解いて確認し、誰かに説明してみる。この積み重ねが、試験対策にも日々の仕事にも役立つはずです。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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