生活支援技術の勉強法|毎日の介助を試験の言葉に翻訳して覚える方法

参考書を開いて「知らない言葉ばかり」と感じたことはありませんか

夜勤明けに参考書を開いて、最初のページで手が止まった経験がある方は多いと思います。「関節可動域」「ボディメカニクス」「廃用症候群」。文字は読めるのに、内容がすっと入ってこない。

でも実際の介助を思い出してみると、たとえば移乗のときに利用者さんの体に近づいて腰を落とすのは、まさに「ボディメカニクスを使った介助」です。麻痺のある方の着替えで、健側の袖から脱いで患側の袖から着せるのは「脱健着患」という言葉がそのまま当てはまります。

つまり、生活支援技術という科目は、まったく新しい知識を覚える科目ではなく、すでに体が覚えていることに名前をつけていく作業に近いものです。この視点を持てるかどうかで、勉強のしんどさがかなり変わってきます。

出題の2割を占める理由と、覚え方の順番

生活支援技術は介護福祉士国家試験の中でも出題数が多い科目のひとつとされています。出題数の詳しい割合や配点は年によって変わることもあるので、詳しくは公式の案内をご確認ください。ただ、範囲が広く配点も大きい科目だという点は、勉強の計画を立てるうえで押さえておきたいところです。

範囲が広いからこそ、闇雲に参考書の最初から順番に読んでいくと途中で挫折しやすくなります。おすすめは、自分が普段よく行っている介助から手をつけることです。

  • 食事介助をよくしているなら、摂食嚥下のしくみや誤嚥予防の項目から
  • 入浴介助が多いなら、皮膚や循環器への影響、湯温や時間の目安から
  • 移乗・移動の介助が多いなら、ボディメカニクスや福祉用具の項目から

自分が体で分かっている部分から言葉を当てはめていくと、「あ、これはいつもやっていることだ」という感覚が持てます。その感覚があると、次に読む未経験の項目にも抵抗が少なくなります。

毎日の介助を「試験の言葉」に翻訳する練習

具体的な翻訳の仕方を考えてみます。たとえば車椅子への移乗介助を思い浮かべてください。

現場での動き:利用者さんの膝の前に自分の膝を当てて、支えながら立ち上がってもらい、体の向きを変えて座ってもらう。

試験の言葉:支持基底面を広くとり、重心を低くして介助者の体を安定させる。利用者の残存機能を活かしながら、患側を保護して移乗を行う。

同じことをしているのに、言葉にすると急によそよそしく感じるかもしれません。ですが、この翻訳作業を繰り返していると、問題文を読んだときに「これはあの動きのことを聞いているんだな」と結びつけられるようになります。

排泄介助、口腔ケア、着脱介助、体位変換。どれも同じように、自分が普段口に出さずに体で行っている手順を、いったん言葉にしてみる練習をおすすめします。休憩時間に「今の介助、試験の言葉で言うと何だろう」と考えるだけでも、立派な勉強になります。

紙に書き出す必要はありません。頭の中で変換するだけでも十分です。慣れてくると、参考書の説明文が「知らない話」ではなく「さっきやったことの解説」に読めるようになってきます。

隙間時間の使い方と、一問一答で確認する習慣

生活支援技術は範囲が広い分、一度に全部を覚えようとすると疲れてしまいます。休憩時間や通勤時間など、短い時間を使って少しずつ触れていく方が続けやすい科目です。

福ひろばラーニングには、7分で読み終わるコースがいくつも用意されていて、勤務の合間に受講しやすい形になっています。介護福祉士国家試験の一問一答も1,000問収録されていて、20問までは無料で試すことができます。自分がどのくらい言葉として理解できているか、力試しに使ってみるのもひとつの方法です。実技として体が覚えていることと、試験で問われる言葉としての知識と、両方がそろっているかを確認する場として使うと、勉強の抜けている部分が見えてきます。

覚えたつもりでも、問題文の言い回しが変わると答えられないということはよくあります。実際に問題形式で触れてみることで、自分の理解が「体で分かっている」だけなのか「言葉でも説明できる」段階まで来ているのか、確認しやすくなります。

まとめ

生活支援技術は出題数が多く範囲も広い科目ですが、中身は毎日行っている介助と重なる部分がほとんどです。自分が普段行っている介助から手をつけ、体の動きを試験の言葉に置き換えていく練習を続けることで、知らない言葉が少しずつ「知っている動き」に変わっていきます。隙間時間を使いながら、一問一答などで理解の確認をあわせて行うと、勉強の進み方が見えやすくなります。焦らず、自分のペースで積み重ねていってください。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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