医療的ケアはどこまで?介護福祉士の実施範囲と手順の覚え方

「これって自分がやっていいこと?」と迷う瞬間

利用者の口の中の痰を見て、吸引してあげたいけれど自分にその権限があるのか一瞬迷う。経管栄養の準備を任されそうになって、どこまで自分の仕事なのか曖昧なまま流れで動いてしまう。介護の現場では、こうした場面が実はよくあります。

医療的ケアという言葉は研修や試験で何度も出てきますが、実際の現場で「自分がどこまでやっていいのか」を具体的に線引きできている人は意外と少ないのではないでしょうか。あいまいなまま動くと、利用者にとってもリスクになりますし、自分自身も不安を抱えたまま働くことになります。

この記事では、介護福祉士が実施できる医療的ケアの範囲と、実施までの手順をどう整理して覚えればいいかをまとめます。介護福祉士の資格取得を目指している方にも、現場で改めて確認したい方にも参考にしていただけると思います。

介護福祉士が行える医療的ケアの範囲

医療的ケアという言葉は幅広く使われますが、介護福祉士が行えるものは決まった行為に限られています。代表的なものは次の通りです。

  • 喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)
  • 経管栄養(胃ろう・腸ろうによる経管栄養、経鼻経管栄養)

このふたつが、介護福祉士が実施できる医療的ケアの中心です。ただし「介護福祉士の資格を持っているから」だけで実施できるわけではありません。実施するには、決められた研修を修了していることが条件になります。研修の内容や修了までの流れについては、詳しくは公式の案内をご確認ください。

ここで大事なのは、範囲外のことをはっきり区別しておくことです。たとえば注射や点滴、褥瘡の処置など、看護師や医師が行うべき医療行為は介護福祉士の業務範囲には含まれません。「これはできる」「これはできない」を曖昧にせず、線引きを言葉で説明できるようにしておくと、現場での判断に迷いが少なくなります。

実施までの手順と覚え方

範囲を覚えたら、次は「実施までの流れ」を押さえます。医療的ケアは、思いついたときにその場で行えるものではなく、決められた手順を踏んで初めて実施できます。おおまかな流れは次のようになります。

1. 医師の指示書があること

2. 看護師など医療職との連携体制が整っていること

3. 利用者ごとの実施計画書が作成されていること

4. 定められた研修を修了し、認定を受けていること

5. 事業所内で実地研修などの手続きを経ていること

この流れを丸暗記しようとすると混乱しやすいので、「誰の指示のもとで」「誰と連携して」「どんな書類があって」という三つの軸で整理すると覚えやすくなります。医療行為は自己判断で完結させないという前提があるので、常に医師や看護師とのつながりの中で行うものだと理解しておくと、試験問題を読むときも状況がイメージしやすくなります。

試験勉強という点では、医療的ケアの分野は範囲と手順を混同しやすいところです。喀痰吸引の対象部位や、経管栄養の種類ごとの注意点など、細かい知識を問われる問題も出てきます。こうした部分は、まとまった時間を取って勉強するよりも、隙間時間に繰り返し確認するほうが定着しやすい分野です。福ひろばラーニングの介護福祉士国家試験対策には一問一答がおよそ1,000問用意されていて、20問までは無料で試すことができます。休憩時間や通勤の合間に、範囲と手順の確認として使ってみるのもひとつの方法です。

まとめ

介護福祉士が行える医療的ケアは喀痰吸引と経管栄養が中心で、いずれも決められた研修や手順を踏んで初めて実施できるものです。範囲を覚えるときは「できること」と「できないこと」をはっきり分け、手順は「誰の指示で」「誰と連携して」「どんな書類があるか」という軸で整理すると理解しやすくなります。試験勉強でも現場の判断でも、この線引きを自分の言葉で説明できることが、医療的ケアと安心して向き合う第一歩になります。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

──────────

📚 福ひろばラーニングは、介護・障がい福祉で働く方のためのeラーニングです。7分で読み終わるコースに加えて、介護福祉士国家試験の一問一答を1,000問収録しています。

▶ 受験対策を無料で試す(20問)

▶ 個人会員のご案内(月500円・7日間無料)

※お勤め先で福ひろばラーニングを導入済みの方は、そのままご利用いただけます。

──────────

この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

会社概要を見る →
← ブログ一覧へ