介護過程の覚え方|アセスメントから評価まで一つの流れで整理するコツ

「介護過程」がなぜバラバラに感じるのか

介護過程の勉強をしていて、こんな感覚になったことはないでしょうか。アセスメント、課題の抽出、目標設定、計画の立案、実施、モニタリング、評価。それぞれの言葉の意味は説明できるのに、いざ事例問題を解こうとすると、どこから手をつけていいか分からなくなる。

これは、現場で働いている人ほど起きやすいことだと思います。日々の記録や申し送りでは、状態観察と対応がひとまとまりになっていて、「これはアセスメントの部分」「これは評価の部分」と分けて意識することがあまりないからです。仕事の中で自然にやっていることを、あらためて一つひとつの工程として言葉にし直す作業が、介護過程の勉強では求められます。

言葉を単体で暗記しようとすると、どうしても定着しにくくなります。おすすめしたいのは、一つの流れの中で覚えることです。ここでは、実際の利用者の方の話ではなく、勉強の練習として使える一般的な場面を想定して、アセスメントから評価までを順番に追ってみます。

一つの流れで追ってみる

たとえば、「以前より歩行が不安定になり、居室からトイレまでの移動に時間がかかるようになった」という状態を想定してみます。

まずアセスメントの段階では、この状態を情報として集めます。歩行の様子だけでなく、いつからそうなったか、痛みはあるか、本人がどう感じているか、生活のどの場面で困っているかを、できるだけ本人の言葉や様子から拾っていきます。ここで大事なのは、職員の感想ではなく、事実と本人の意向を分けて記録することです。

次に、集めた情報から生活課題を抽出します。「移動に時間がかかる」という事実の背景に、「トイレに間に合わないのではという不安がある」「日中の活動量が減っている」といった課題が見えてくることがあります。ここで、表面的な動作の問題だけでなく、本人の生活全体にどう影響しているかを考えるのが介護過程らしいところです。

課題が見えたら、目標を設定します。「安全に移動できるようになる」という漠然とした目標ではなく、「日中、決まった時間にトイレへ行く習慣をつけることで、不安なく移動できる」というように、本人の生活に沿った目標にしていきます。

目標が決まったら、それを実現するための具体的な計画を立てます。手すりの位置の見直し、声かけのタイミング、見守りの方法など、誰が読んでも同じ対応ができるように書きます。

計画は実施して終わりではありません。実施した結果、本人の様子がどう変化したかを観察し続けるのがモニタリングです。そして一定期間の後、目標にどれだけ近づいたかを確認するのが評価です。評価の結果、目標を継続するのか、計画を見直すのかを判断し、必要であれば最初のアセスメントに戻ります。

こうして流れで見ると、それぞれの工程が独立しているのではなく、前の工程の結果が次の工程の材料になっていることが分かります。

覚え方のコツ:流れを一枚の図にする

この流れを覚えるときは、言葉の定義を先に暗記するより、矢印でつないだ図を自分で書いてみる方法が向いています。アセスメント→課題抽出→目標設定→計画→実施→モニタリング→評価、という矢印を紙に書き、それぞれの下に自分の言葉で一文ずつ説明を添えてみます。

このとき、実際に自分が担当している業務の中で近い場面を思い浮かべると、言葉が自分のものになりやすくなります。ただし、記録や申し送りに書く内容は、あくまで日々の業務としての情報整理であり、それを試験勉強のための架空の練習素材として頭の中で組み立て直す、という意識で取り組むとよいと思います。

試験対策としては、この流れを覚えたうえで、実際の出題形式に慣れておくことも欠かせません。福ひろばラーニングでは、介護福祉士国家試験の一問一答を1,000問用意していて、20問までは無料で確認できます。介護過程の分野だけでなく、他の科目との関連も含めて、すきま時間に短く区切って解ける形になっているので、通勤前や休憩時間に少しずつ試してみるのも一つの方法です。7分で読み終わるコースと組み合わせて、流れの理解と問題演習を並行して進めていくと、知識が定着しやすくなります。

まとめ

介護過程は、アセスメントから評価までの各工程を単体で覚えようとすると混乱しやすい分野です。一つの流れとして最初から最後まで通して確認し、前の工程が次にどうつながるかを意識することで、理解が整理されていきます。日々の業務の感覚を手がかりにしながら、自分の言葉で流れを説明できるようにしておくと、試験対策としても実務としても役立つ知識になります。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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