「発達と老化の理解」を得点源に変える疾患の覚え方―症状の出方から入る

疾患名だけ覚えようとすると頭に入らない

夜勤明けや休憩時間にテキストを開いて、「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「パーキンソン病」といった疾患名と説明文を交互に読んでいるうちに、どれがどれだかわからなくなった経験はないでしょうか。「発達と老化の理解」は疾患名が多く、しかも似たような単語が並ぶので、一つひとつを独立した知識として覚えようとすると、すぐに混ざってしまいます。

この科目でつまずきやすい理由は、疾患そのものの定義を暗記しようとしているからだと思います。試験でよく問われるのは、疾患名の意味そのものよりも「どういう現れ方をするか」「どんな経過をたどるか」という部分です。ここを最初に整理してから疾患名を当てはめると、記憶の残り方がかなり変わってきます。

症状の現れ方でグループ分けする

例えば認知症は、原因によって進行のパターンがはっきり違います。

アルツハイマー型認知症は、もの忘れから始まって、ゆっくりと段階的に進んでいくのが特徴です。本人の性格が比較的穏やかなまま経過することが多いとされています。一方で脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血が起きるたびに階段状に悪化していくのが特徴で、できることとできないことの差が大きい「まだら認知症」と呼ばれる状態や、感情の起伏が激しくなる感情失禁がよく挙げられます。レビー小体型認知症では、実際にはいないものが見える幻視や、パーキンソン病に似た動きの症状、日によって調子が大きく変わる変動性が特徴として問われます。

同じように、脳血管疾患とパーキンソン病も現れ方で対比すると整理しやすくなります。脳梗塞や脳出血は突然発症して、片側の手足の麻痺やろれつが回らないといった症状が急に出るのに対し、パーキンソン病はじっとしているときに手が震える安静時振戦、歩幅が小刻みになる小刻み歩行、歩き出しの一歩が出にくいすくみ足など、ゆっくりと進行していく点が異なります。「突然出るか、じわじわ出るか」という軸だけでも、この二つを混同しにくくなります。

大腿骨頸部骨折や誤嚥性肺炎、糖尿病、高血圧なども、単に病名と定義を覚えるより、「どんな場面で起こりやすいか」「どんな順番で症状が出るか」という流れで整理すると頭に残りやすくなります。骨折であれば転倒からの発症、誤嚥性肺炎であれば嚥下機能の低下から発熱までの流れ、といった具合です。

現場で見る動きとテキストの記述を結びつける

介護の仕事をしていると、テキストに出てくる症状の説明が、日々の業務の中で見ている動作や言動と重なることがよくあります。歩行の様子、声のかけ方への反応、食事の様子、こうした場面を思い浮かべながらテキストを読むと、文字だけで覚えるより理解が進みやすいです。特定の人のことを思い出す必要はなく、「こういう歩き方をする人がいたら、こういう疾患が背景にあるかもしれない」という一般的なイメージで十分です。

このやり方で気をつけたいのは、現場での印象だけに頼りすぎないことです。似たような症状でも原因が違う疾患はいくつもあるので、最終的にはテキストや問題演習で確認する作業が欠かせません。症状の現れ方から入って大枠をつかんだら、細かい違いは繰り返し問題を解いて定着させる、という順番がおすすめです。

疾患名と症状を結びつける確認作業には、一問一答形式で繰り返し解く方法が向いています。福ひろばラーニングでは介護福祉士国家試験の一問一答を1,000問用意していて、20問までは無料で試すことができます。すきま時間に少しずつ解いて、覚えたつもりの疾患がきちんと定着しているか確かめる使い方ができます。テキストを読む時間がまとまって取れない人でも、通勤中や休憩時間に少しずつ進められます。

受験資格や試験の詳しい日程などは年度によって変わることがあるので、詳しくは公式の案内をご確認ください。

まとめ

「発達と老化の理解」で疾患名が覚えられないときは、定義を丸暗記するのではなく、症状の現れ方や進行のパターンでグループ分けしてみると整理しやすくなります。突然発症するか、ゆっくり進むか。まだらに悪化するか、段階的に進むか。こうした軸で疾患を並べてから、現場で見る動作や様子と結びつけて考えると、記憶に残りやすくなります。大枠をつかんだあとは、一問一答などで細かい違いを繰り返し確認していく流れが、無理なく続けやすい勉強法だと思います。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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