介護福祉士試験「コミュニケーション技術」記録・報告で点を落とす人が見直したい勉強法

記録や報告で点を落とすのはなぜか

夜勤明けに記録を書いていて、「これで伝わるだろうか」と手が止まったことはありませんか。利用者さんの様子を見た通りに書いたつもりでも、読み返すと自分の感想が混ざっていたり、次の勤務者が読んだときに状況が想像しにくかったりすることがあります。

介護福祉士試験の「コミュニケーション技術」は、利用者さんとの会話の場面だけでなく、職員同士の記録や報告のやり取りも出題範囲に入っています。現場で日々やっていることのはずなのに、いざ問題として出されると迷う、という声をよく聞きます。理由は単純で、現場では「なんとなく通じている」ことが、試験では「なぜそう書くのか」を言葉で説明できないと点にならないからです。

記録や報告は毎日やっている作業だからこそ、逆に「自分のやり方が正しいのかどうか」を確かめる機会があまりありません。先輩に指摘されたことがそのまま自分のクセになっていて、それが試験の答えと合っているのか合っていないのか、確認しないまま働き続けている人も多いと思います。

「コミュニケーション技術」で問われていること

この科目でよく問われるのは、事実と解釈を分けて書けているかどうかです。「落ち着かない様子だった」と書くのと、「椅子から何度も立ち上がろうとしていた」と書くのとでは、伝わる情報の量がまったく違います。前者は書いた人の印象で、後者は誰が読んでも同じ場面を思い浮かべられる事実です。試験では、こうした事実と解釈の違いを見分ける問題や、報告の順序、伝え方の工夫について問われます。

また、利用者さんやご家族への説明の仕方も含まれます。専門用語をそのまま使わず、相手が理解できる言葉に置き換えること、相手の反応を確かめながら話すことなど、日頃意識せずにやっていることを、あらためて「なぜそうするのか」という理由とセットで覚え直す必要があります。

報告についても同じです。誰に、何を、どの順番で伝えるかは現場ごとにやり方が違うこともありますが、試験で問われるのは基本の考え方です。緊急性の高いことから伝える、事実を先に伝えて自分の考えは後にする、といった原則を、自分の職場のやり方と照らし合わせながら整理しておくと、問題文を読んだときに迷いにくくなります。

記録・報告の言葉を固める勉強法

対策として一番効果があるのは、教科書を読むことよりも、自分が普段書いている記録を見直すことです。直近で書いた記録を数枚読み返して、事実だけを書いている部分と、自分の判断や感想が入っている部分を色分けしてみてください。感想が多いページほど、試験で狙われやすい考え方のズレがある可能性があります。

次に、そのズレを埋めるために、テキストの該当ページを読みます。ここで大事なのは、テキストの言葉をそのまま覚えようとしないことです。自分が書いた記録を、テキストに書かれている書き方に直してみる、という作業をすると、知識が自分の言葉として定着しやすくなります。

もう一つ有効なのが、問題を解きながら自分の弱点を確認する方法です。福ひろばラーニングでは、介護福祉士国家試験の一問一答を1,000問用意していて、20問までは無料で受験できます。コミュニケーション技術の分野だけを選んで解いてみると、自分がどのパターンの問題で間違えやすいかが見えてきます。まとまった時間が取れない日でも、通勤中や休憩時間に数問ずつ進められるので、記録を書く合間の隙間時間に取り入れている人もいます。

過去問で自分の言葉のクセを見つける

過去問を解くときは、正解・不正解だけでなく、なぜ自分がその選択肢を選んだのかを言葉にしてみることをおすすめします。「なんとなくこれが正しそうだから」で選んでいる場合、それは知識ではなく感覚で解いていることになります。試験本番では初めて見る文章で判断しなければならないので、感覚に頼っていると点数が安定しません。

また、間違えた問題は、自分が現場でどう記録・報告しているかと照らし合わせてみてください。「これは自分も普段こう書いてしまっている」と気づくことがあれば、それは試験対策であると同時に、日々の記録の質を上げるきっかけにもなります。試験勉強と現場の仕事が別々のものではなく、つながっているという感覚が持てると、勉強を続けやすくなります。

受験資格や試験の実施時期については年によって変わることがあるので、詳しくは公式の案内をご確認ください。ここでは、日々の記録や報告を振り返りながら勉強を進める方法を中心にお伝えしました。

まとめ

コミュニケーション技術の記録・報告分野は、毎日やっている作業だからこそ、自己流のクセに気づきにくい分野です。自分が書いた記録を見直し、事実と解釈を分けて考える習慣をつけることが、試験対策にも日々の仕事の質にもつながります。まとまった時間が取れなくても、隙間時間に問題を解いて自分の弱点を確認するところから始めてみてください。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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