総合問題が苦手な人へ。事例文のどこを読むか迷ったときの絞り方

総合問題とはどういう形式か

介護福祉士国家試験の総合問題は、1つの事例文に対して3問が続けて出題される形式です。事例文には、利用者の年齢や病名、生活歴、家族構成、現在の状態、施設や在宅での様子などがまとめて書かれています。そこから3つの設問がそれぞれ違う角度で問われます。

現場で働いていると、事例文を読んだ瞬間に「この人、うちの利用者さんと似ているな」と自分の経験を重ねてしまうことがあります。それ自体は悪いことではないのですが、試験では「自分ならどうするか」ではなく「事例文に書かれている情報から何が読み取れるか」を答える必要があります。ここで実務の感覚と試験の答え方がずれてしまい、選択肢を選び間違えることがよくあります。

まず押さえておきたいのは、総合問題は暗記した知識をそのまま当てはめる問題ではなく、事例文という素材から必要な情報を拾い出す問題だということです。読み方の順番を決めておくだけで、迷う時間はかなり減ります。

事例文を読む順番を決めておく

事例文を最初から最後まで丁寧に読んでから設問に取り掛かる、という解き方をしている人は少なくないと思います。ですが試験時間には限りがあるので、先に設問を確認してから事例文を読むほうが効率的です。

設問を先に読むと、「この問題は現在の身体状況について聞かれている」「この問題は家族への対応について聞かれている」というように、事例文のどこに注目すればいいかの見当がつきます。そのうえで事例文を読み進めると、関係のありそうな部分に自然と印がつけられます。

事例文の中で特に線を引いておきたい情報は次のあたりです。

  • 診断名や既往歴などの医学的な情報
  • 現在の生活動作の状態(できること、できないこと)
  • 本人や家族の発言、希望していること
  • 直近で起きた変化(体調の変化、環境の変化、介護者の変化など)

この4つのどれかに、3問それぞれの答えの根拠が含まれていることがほとんどです。逆に言うと、事例文の中の細かい生活歴や年数などは、設問と直接関係がないことも多いです。全部を均等に覚えようとせず、設問との対応を意識しながら読むことが、時間短縮につながります。

3問構成での絞り方、迷ったときの考え方

総合問題の3問は、多くの場合で役割が分かれています。1問目は事例文に書かれている状態を正しく読み取れているかを確認する問題、2問目はその状態に対してどう対応するか、あるいはどんな支援が適切かを問う問題、3問目はもう少し先の場面、例えば多職種との連携や家族への説明、制度の利用といった広がりを持たせた問題、という構成になっていることが多いです。

この構成を知っておくと、迷ったときの絞り方が変わってきます。例えば1問目で選択肢に迷ったときは、「これは事例文に書いてあることか、それとも一般的な知識か」を確認します。事例文に書かれていない内容を根拠にした選択肢は、たとえ介護の知識として正しくても、その問題の答えとしては不適切なことが多いです。

2問目で迷ったときは、「本人の希望」と「専門職としての判断」のどちらに寄りすぎていないかを見直します。本人の希望を無視した選択肢はもちろん外れますが、逆に本人の希望をそのまま実行するだけで安全面や医学的な配慮が抜けている選択肢も外れることがあります。事例文の中に、体調面の情報と本人の発言の両方が書かれている場合は、その両方を満たす選択肢を探すという意識で読むと絞りやすくなります。

3問目で迷ったときは、視野を少し広げます。事例の中の一人の対応だけでなく、他の職種や家族、地域とのつながりまで視野に入れた選択肢が正解になりやすい傾向があります。現場では自分の担当業務の範囲で考えがちですが、試験ではチームや制度全体を意識した選択肢が求められる場面が多いです。

こうした解き方の感覚は、問題を数多く解いていくうちに身についていくものだと思います。福ひろばラーニングでは、介護福祉士国家試験の一問一答を1,000問分用意していて、20問までは無料で試すことができます。総合問題そのものではありませんが、事例文の中で問われやすい知識を短い問題で確認しておくと、本番で「これは事例文のどこを見ればいいか」の判断が速くなります。すきま時間に、7分で読み終わるコースを1本読むような感覚で使えるので、勤務の合間に少しずつ進めている方もいます。

まとめ

総合問題は、事例文を全部覚えようとするより、設問を先に確認してから必要な情報に印をつけて読むほうが効率的です。1問目は事例文の読み取り、2問目は本人の希望と専門的な判断のバランス、3問目はチームや制度への広がりという役割を意識しておくと、迷ったときの絞り方が見えてきます。現場での経験は大きな強みになりますが、試験では「事例文に書かれていること」を根拠にする姿勢を忘れないことが大切です。少しずつ問題に触れながら、自分なりの読み方を見つけていってください。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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