40代・50代から介護福祉士資格に挑む、経験という強みとつまずきやすい点

夜勤明けにテキストを開いてみたものの

夜勤明けの体がだるい中、ふと「そろそろ資格を取っておいたほうがいいかもしれない」と思ってテキストを買ってみる。開いてはみたものの、見慣れない用語が並んでいて、最初の数ページで手が止まる。こういう経験をした方は少なくないと思います。

40代、50代で介護福祉士の資格取得を考える方は、実務者研修を終えて何年も現場に出ている方が多いはずです。利用者さんの介助も、記録も、申し送りも、体が覚えているくらい慣れている。それなのに、いざ試験勉強となると急に自信がなくなる。これは不思議なことではありません。現場でやってきたことと、試験で問われることは、同じ介護でも角度が違うからです。

この記事では、経験があるからこそ有利に働く部分と、逆につまずきやすい部分を、現場の職員目線で整理してみます。

経験があるからこその強み

まず強みの部分から話します。

試験の問題文には、実際の介助場面や利用者さんの状態がケースとして出てきます。たとえば体位変換の際にどこに注意するか、認知症の方への声かけをどう考えるか、といった設問です。こうした問題は、現場で実際に体を動かしてきた人のほうが、状況をイメージしやすい傾向があります。テキストだけで覚えた知識ではなく、自分の手が覚えている動きと結びつけて読めるので、理解が早いことが多いです。

もうひとつは、制度や多職種連携についての実感です。ケアマネジャーとのやり取り、訪問リハビリの専門職との情報共有、家族への説明など、仕事をしながら自然と身についてきた感覚があります。教科書の文章を読んだときに「ああ、これはあの場面のことだ」と結びつく瞬間があるのは、現場に出てきた年数が長い人ならではです。

年齢を重ねているからこそ、目の前の利用者さんの生活歴や背景を想像する力もついています。試験問題の中には、本人の意向や家族の状況を踏まえて判断する設問もあります。こうした問題に対して、知識だけでなく経験に基づく感覚で答えを絞り込めるのは、大きな強みだと感じます。

つまずきやすいところ

一方で、つまずきやすい点もはっきりしています。

ひとつは、暗記のための勉強そのものから離れていた期間が長いということです。学生時代や研修を終えてからしばらく経っていると、問題を解くための勉強の感覚を取り戻すのに時間がかかります。最初は「覚えても覚えても抜けていく」という感覚になりがちですが、これは誰にでも起こることで、特別なことではありません。

もうひとつは、まとまった勉強時間を確保しにくいという現実的な問題です。シフト制の仕事をしながら、家庭のことも抱えている方が多く、休日にまとめて何時間も机に向かう、というやり方がそもそも続かないことがあります。若い頃の勉強法をそのまま持ち込もうとして、うまくいかずに挫折してしまうケースもあるようです。

さらに、経験があるがゆえに「自分のやり方が正解」という思い込みが出てくることもあります。実際の現場でのやり方と、試験で求められる基本的な考え方や根拠が少し違う場合、知らないうちに自己流の答えを選んでしまうことがあります。経験が邪魔をする、というと言いすぎかもしれませんが、一度立ち止まって基本に戻る姿勢が必要になる場面はあると思います。

こうしたつまずきに対しては、短い時間でコツコツ続けられる方法が合っていることが多いです。福ひろばラーニングでは、介護福祉士国家試験の一問一答を1,000問用意していて、20問までは無料で試すことができます。通勤前の数分、休憩時間の合間など、まとまった時間が取れなくても、一問ずつ確認しながら知識の抜けを埋めていくやり方です。文章を読んで理解する形式なので、自分のペースで読み進められるのも、忙しい毎日の中では続けやすいところだと思います。

勉強を続けるために意識しておきたいこと

勉強を始める前に、まず自分の生活リズムの中のどこに勉強の時間を組み込めるか、具体的に考えてみることをおすすめします。夜勤明けにまとめてやろうとするより、出勤前の15分、休憩中の10分というように、短く区切ったほうが続きやすい人もいます。

また、覚えたことをすぐに現場の場面と結びつけて考える習慣も役立ちます。テキストで読んだ内容を、その日の勤務の中で「これはあの場面のことか」と振り返ってみる。これを繰り返すことで、知識が記憶に定着しやすくなります。経験があるからこそできる勉強法だと思います。

完璧を目指しすぎないことも大切です。一度で全部覚えようとせず、何度も同じところを読み返すくらいの気持ちで取り組んだほうが、結果的には長く続けられます。受験資格や試験の詳細については年によって変わることもあるため、詳しくは公式の案内をご確認ください。

まとめ

40代、50代からの介護福祉士資格取得は、現場での経験が理解の助けになる一方、勉強の仕方そのものに工夫が必要になります。短い時間で続けられる方法を見つけること、経験を知識と結びつけながら読み進めることが、無理なく合格に近づく近道になると思います。焦らず、自分のペースで続けていってください。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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