認知症の理解を現場目線で整理する勉強法、原因疾患の違いをどう覚えるか
「認知症」とひとくくりにできないと感じた経験
現場で働いていると、「認知症の利用者さん」とひとことで言っても、関わり方がまったく違う人がいることに気づくと思います。物忘れが目立つけれど穏やかに過ごせる方もいれば、時間帯によって様子が大きく変わる方、怒りっぽさが強く出る方、歩き方や姿勢に特徴がある方もいます。
研修で「認知症の理解」という科目名を見ると、記憶障害とか中核症状とか、言葉だけが並んでいて覚えにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。実は、これは原因疾患ごとの特徴を知らないまま用語だけ暗記しようとしているからかもしれません。現場で見てきた姿と照らし合わせると、驚くほど整理しやすくなります。
ここでは、代表的な原因疾患の特徴を、現場でよく言われる言葉と結びつけながら振り返ってみます。資格取得を考えている方にとっても、試験範囲を丸暗記するより理解が残りやすい方法だと思います。
原因疾患ごとの「現場あるある」と結びつける
アルツハイマー型認知症は、新しいことを覚えにくい、同じ話を何度もするといった記憶の障害が中心に語られることが多い疾患です。現場では「さっき食べたのに、ごはんまだ?と聞かれる」という場面を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。進行がゆるやかで、本人は忘れていること自体に気づきにくいとされています。
血管性認知症は、脳梗塞や脳出血など血管の病気が原因になるため、できることとできないことの差がはっきりしている、という説明をよく見かけます。現場でも「昨日はスムーズに会話できたのに、今日はぼんやりしている」というふうに、日によって様子が違うと感じた経験がある方は多いと思います。感情の起伏が出やすいとも言われています。
レビー小体型認知症は、実際にはいないものが見える、いわゆる幻視が特徴のひとつとされています。「虫がいる」「子どもが立っている」といった訴えを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。加えて、パーキンソン症状と呼ばれる動作のこわばりや、睡眠中に大きな声を出すといった症状が語られることもあります。日によって、あるいは時間帯によって状態の波があることも特徴とされています。
前頭側頭型認知症は、記憶よりも先に、性格や行動の変化が目立つと言われています。同じ行動を繰り返す、場にそぐわない言動が出る、といった説明を見たことがある方もいるかもしれません。他の認知症と比べて、本人の「困っている様子」よりも周囲が戸惑う場面が多いと感じた経験がある方もいるのではないでしょうか。
こうして並べてみると、「記憶の障害」「症状の波」「幻視」「性格の変化」という切り口で、現場で感じてきた違和感の正体が見えてくることがあります。用語を先に覚えるのではなく、自分が見てきた場面を先に思い出してから、どの疾患の特徴に近いかを当てはめていくと、頭に残りやすくなります。
勉強法として「自分の経験」を使う
介護福祉士の資格取得を考えている方にとって、「認知症の理解」は暗記科目のように感じられるかもしれません。ですが、現場で働いている方には、教科書だけで勉強する人にはない強みがあります。それは、実際に関わってきた経験があることです。
テキストを読んで用語を覚えるだけでなく、「これは自分が現場で見たことのあるタイプだ」「この症状は見たことがないから、もう少し具体的にイメージしてみよう」というふうに、経験と結びつけながら読むと理解が深まります。逆に、経験したことのない疾患の特徴は、イメージが湧きにくく忘れやすいので、意識して繰り返し触れておくことが大切です。
勉強の進め方としては、テキストを通しで読むだけでなく、問題を解きながら知識を定着させる方法もおすすめです。福ひろばラーニングでは、介護福祉士国家試験の一問一答を1,000問用意しており、20問までは無料で試すことができます。認知症の理解に関する問題も含まれているので、自分がどの疾患の特徴を覚えられていて、どこがあいまいなのかを確認する材料として使ってみるのもひとつの方法です。すきま時間に少しずつ解いて、間違えた問題だけ見直すという使い方をしている方もいます。
なお、資格の受験資格や試験の詳細については年によって変わることもあるため、詳しくは公式の案内をご確認ください。
現場での関わりにも活きてくる
原因疾患ごとの特徴を整理しておくと、試験対策だけでなく、日々の関わり方を考えるときにも役立ちます。たとえば、症状に波がある疾患だと知っていれば、「今日は調子が悪そうだから、昨日できたことができなくても仕方がない」と受け止めやすくなります。幻視の特徴を知っていれば、本人の訴えを頭ごなしに否定せず、まず話を聞く姿勢を取りやすくなります。
こうした理解は、資格取得のための勉強であると同時に、日々の仕事の質にも関わってくる部分だと思います。「なぜこの人はこういう行動をするのだろう」という疑問を、疾患の知識と結びつけて考えられるようになると、同じ場面でも見え方が変わってくることがあります。
まとめ
認知症は原因疾患によって症状の出方が異なり、現場で感じてきた違和感と結びつけることで理解が進みやすくなります。アルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型それぞれの特徴を、自分が見てきた場面と照らし合わせながら整理してみてください。資格取得を目指す方は、テキストに加えて問題演習も取り入れながら、少しずつ知識を定着させていくことをおすすめします。
出典・参考
※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。
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