看取り介護加算の研修要件とは?年1回の全職員研修を記録に残す方法

「看取り介護加算は算定しているが、研修の実施記録に自信が持てない」——特別養護老人ホームや介護老人保健施設の施設長・管理者から、こうした声をよく耳にします。看取りに関するケアは対応する利用者・家族ごとに個別性が高く、研修も「やってはいるが、いつ・誰が受けたか一覧になっていない」という事業所が少なくありません。運営指導で指摘を受けやすいポイントでもあるからこそ、研修の実施と記録をどう仕組み化するかが重要です。

看取り介護加算の研修が「実施したつもり」で終わりやすい理由

看取りに関する研修は、感染症対策や虐待防止研修のように毎年決まった時期に一斉実施しやすい研修とは性質が異なります。看取り期の利用者が入所するタイミングに合わせてカンファレンスや事例検討として行われることが多く、参加できた職員とできなかった職員の差が生まれやすいのが実情です。結果として「研修はしているはずだが、年間で誰が何回受けたか一覧で示せない」という状態になりがちで、運営指導で実施記録の提出を求められた際に慌てて資料をかき集める、というケースが起こります。

算定要件の柱—指針・説明・多職種協議、そして年1回以上の全職員研修

看取り介護加算やターミナルケア加算は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護など、看取り期の利用者に対応するサービス種別に設けられている加算です(対象サービスや単位数、算定できる回数などはサービスの種類ごとに定められています)。算定要件として共通して求められるのは、大きく次の4つです。

  • 事業所独自の「看取りに関する指針」を整備し、利用者・家族に説明すること
  • 医師・看護職員・介護職員など多職種が協議し、ケア方針を共有すること
  • 本人・家族の意思決定を、厚生労働省のガイドラインに沿って支援すること
  • 看取りに関する職員研修を、年1回以上など定期的に全職員を対象に実施すること

このうち意思決定支援の拠り所となるのが、厚生労働省「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」です。2007年の策定後、2018年の改定で「ケア」の視点が加えられ、多職種が本人・家族と繰り返し話し合うプロセスを重視する内容になりました(出典:厚生労働省 報道発表「『人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン』の改訂について」(2018年3月))。研修は、このガイドラインの考え方を踏まえた内容であることが前提になります。

なお、こうした指針の整備状況や研修の実施状況は、運営指導で確認される項目の一つです。「研修を実施した」という事実だけでなく、「いつ・誰が受けたか」を記録として残し、求められたときにいつでも提示できる状態にしておくことが実務上のポイントになります。

「実施した」を一覧で示す—福ひろばラーニングでの記録の仕組み化

福ひろばラーニングは、法定研修対応のコース群(虐待防止・身体拘束、感染症対策、事故防止、認知症ケアなど)をスマホ・LINEで受講できる研修eラーニングですが、看取り研修のように事業所内でカンファレンスや事例検討として行う学びについても、受講記録を一元管理する仕組みとして活用いただけます。

具体的には、年間研修スケジュールの中に看取り研修の実施予定を組み込み、未受講者には自動でリマインドを送信します。実施後は受講記録が自動で残り、施設長・管理者は誰が受けたかを一覧で把握可能です。複数事業所を運営している場合も1画面で状況を確認でき、運営指導・監査に備えて年間研修計画書や研修実施記録をそのまま出力できるため、「指摘されてから慌てて記録を探す」という状況を防げます。

まとめ

看取り介護加算の算定要件は、指針の整備や多職種協議など「体制」に関わる部分と、年1回以上の全職員研修という「実施と記録」に関わる部分の両方から成り立っています。看取りに関する研修は個別性が高いケアだからこそ抜け漏れが生まれやすく、日頃からの記録の仕組み化が運営指導対策にもつながります。まずは自事業所の研修実施状況を一覧で把握できているか、確認してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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