共同生活援助の夜間支援、記録と人員配置は運営指導でここを見られる

夜間の記録、何を書けば「支援した」ことになるか

共同生活援助の夜勤記録を見返すと、巡回した時刻だけが並んでいて、そのときに何を確認したのかが書かれていないことがあります。「22時 巡回」「0時 巡回 異常なし」という記載が続いていても、実際に居室のドアを開けて様子を見たのか、物音で確認しただけなのか、記録からは分かりません。

夜間は日中に比べて職員数が少なく、判断を一人で下す場面が多くなります。利用者の体調が急に変化したとき、パニックや不眠の訴えがあったとき、その場でどう判断し、どう対応したかを記録に残しておくことは、後から振り返るためだけでなく、他の職員が同じ状況に対応するときの参考にもなります。

「異常なし」という記載自体が悪いわけではありません。ただ、何を確認したうえでの「異常なし」なのかが分かる書き方にしておく必要があります。呼吸や顔色を見たのか、声をかけて反応を確認したのか、記録様式にその項目をあらかじめ設けておくと、夜勤者ごとの書き方のばらつきを減らせます。

夜間支援の人員配置、どこまでが「配置している」と言えるか

夜間支援の体制は、夜勤なのか宿直なのか、複数のグループホームを一人の職員が巡回する体制なのかによって、求められる記録の中身が変わります。夜間支援等体制加算は事業所の体制に応じて区分が設定されていますが、配置基準や算定要件はサービス区分や自治体によって異なるため、詳しくは指定権者にご確認ください。

ここで大事なのは、加算の申請内容と実際の配置が記録上一致しているかどうかです。たとえば複数のホームを巡回する体制であれば、どのホームを何時に回ったのか、移動にどのくらい時間がかかったのか、巡回ルートと所要時間が分かる記録が必要になります。巡回のはずなのに、実際には一つのホームに長時間滞在していた、という状態が記録から見えてしまうと、体制と実態が合っていないのではないかと問われることになります。

宿直の職員が夜間支援に対応した場合も同様です。宿直と夜勤では業務の位置づけが異なるため、宿直者が実際にどこまでの支援を行ったのか、その内容が記録に残っているかを確認しておく必要があります。

運営指導で確認されるところ

運営指導では、勤務実績表と夜間の支援記録を突き合わせて確認されることがあります。加算の対象となる時間帯に、実際にその職員が配置され、支援を行っていたことが記録から読み取れるかどうかです。勤務表上は配置されているのに、支援記録がその時間帯だけ空欄になっている、という状態は指摘の対象になりやすい点です。

緊急時対応の記録も見られるところです。誰が対応したか、どこに連絡したか、結果どうなったかという流れが記録に残っているか、対応後に日中の職員へどう引き継いだかまで書かれているかが確認されます。夜間の判断は一人で完結しがちですが、翌日の申し送りとセットで記録が残っていることが望ましいとされています。

また、夜勤者が他の業務を兼務している事業所では、夜間支援の記録と他業務の記録が混在してしまうことがあります。どこからどこまでが夜間支援の時間なのか、記録上で区別できるようにしておくことも確認されるポイントです。

こうした記録の残し方や運営指導での確認ポイントは、事業所内で説明する機会が意外と少ないテーマです。福ひろばラーニングには、夜間支援の記録整理や運営指導対策を7分で読み終わるコースとしてまとめたものがあり、新任のサ責や夜勤リーダーに受講してもらう事業所もあります。

まとめ

共同生活援助の夜間支援は、記録と人員配置がどれだけ整合しているかが運営指導で確認されます。「異常なし」で終わらせず、確認した内容や判断の根拠を残すこと、勤務実績表と支援記録を突き合わせておくことが、日頃からの備えになります。加算の区分や算定要件は事業所によって異なるため、不明な点は指定権者に確認しながら、記録の様式を整えておくとよいでしょう。

出典・参考

▶ 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)

▶ WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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