障がい福祉の虐待防止措置未実施減算、1%を防ぐために揃える4点と記録の残し方

障がい福祉サービスでは、虐待の防止に関する措置が講じられていない場合、所定単位数の1%が減算されます。全サービスが対象で、例外はありません。

1%と聞くと小さく感じますが、これは基本報酬に対して毎月かかり続けるものです。そして何より、虐待防止の体制が整っていないと判断されること自体が、事業所にとって重い意味を持ちます。

揃えるのは4点

減算を避けるために必要なのは、次の4つです。

虐待防止委員会を定期的に開催し、結果を職員に周知する。 開催しただけでは足りず、その内容が職員に伝わっていることまでが求められます。

従業者への虐待防止研修を定期的に実施する。 年1回以上に加えて、新規採用時の実施も必要です。

虐待防止のための責任者(担当者)を置く。

虐待防止のための指針を整備する。

この4つのうち1つでも欠けると減算の対象になり得ます。

運営指導で見られるのは「証明できるか」

多くの事業所で、研修も委員会も実際には行われています。それでも指摘を受けるのは、記録の残り方に理由があります。

運営指導では、おおむね次の資料が確認されます。

  • 委員会の議事録(開催日・出席者・検討内容・決定事項)
  • 委員会の結果を職員へ周知した記録
  • 研修の実施記録(実施日・内容・使用資料・受講者名簿)
  • 新規採用者への実施記録
  • 虐待防止指針
  • 担当者を定めた記録

このうち抜けやすいのは、周知の記録新規採用者への実施記録です。

委員会の議事録は残っていても、その結果を職員にどう伝えたかの記録がない。年度当初の研修は名簿があるのに、年の途中で入職した方の分がない。この2つが重なると、体制として機能していないと見られてしまいます。

抜けやすい人を先に決めておく

記録の漏れは、たいてい同じ人のところで起きます。

  • 年度途中に入職した方
  • 非常勤・パートで、研修日に出勤していなかった方
  • 複数事業所を兼務していて、どちらで受けたか曖昧な方
  • 休職から復帰した方

名簿を「出席した人の一覧」として作ると、この方々が視界から消えます。在籍者の一覧に対して、受講済みかどうかを付ける形に変えると、未受講の人がそのまま浮かび上がります。

委員会と研修をつなげる

虐待防止委員会で検討した内容が、そのまま研修の題材になっていると、記録のつながりが自然にできます。委員会で挙がったヒヤリとした場面を研修で共有し、その研修の記録を次の委員会で報告する。この往復があると、周知の記録も同時に残ります。

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まとめ

虐待防止措置未実施減算は全サービス一律1%。委員会・研修・担当者・指針の4点が必要ですが、実際の指摘は「周知の記録」と「年度途中に入職した方の記録」で起きがちです。名簿の作り方を在籍者ベースに変えるだけでも、抜けはかなり減らせます。

※必要な実施回数や記録の様式は、サービス種別や自治体によって運用が異なる場合があります。実際の対応は指定権者にご確認ください。

この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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