見落としやすい情報公表未報告減算、障がい福祉は最大10%。年1回の報告を仕組みにする

障がい福祉の減算のなかで、最も気づきにくいのが情報公表未報告減算です。

虐待防止や身体拘束の減算は、日々の支援と地続きなので現場の意識に上がります。ところが情報公表は事務作業であり、しかも年に一度きり。担当者が代わった年に、そのまま抜け落ちることがあります。

減算率は5%か10%

障害者総合支援法第76条の3に基づく情報公表の報告がされていない場合、施設入所支援など5つのサービスでは所定単位数の10%、その他のサービスでは5%が減算されます。

研修関係の減算が1%であることを考えると、桁がひとつ大きい減算です。報告を1回忘れただけで、これがかかります。

「報告した」の中身を確かめる

減算の対象になるのは未報告の場合ですが、実務では次のようなつまずき方をします。

  • 前任者が担当しており、引き継ぎの資料に載っていなかった
  • 複数の事業所を運営していて、一部の事業所だけ報告が漏れた
  • 新しく指定を受けた事業所の初回報告を失念した
  • 入力を始めたものの、途中で保存したまま提出まで至っていなかった
  • 内容が古いまま更新されていなかった

特に多いのが、事業所を増やしたときの漏れです。既存の事業所は毎年の作業として定着していても、新しい事業所が作業リストに入っていないという形で起きます。

仕組みにするための3つ

年に一度の作業を確実に回すには、人の記憶に頼らない形にするしかありません。

事業所の一覧に「情報公表」の欄を作る。 事業所ごとに、前回の報告日と担当者を並べた表を1枚持ちます。事業所を増やしたときに行を足せば、それだけで作業リストに入ります。

期限をカレンダーに登録する。 報告の受付時期は自治体によって決まっています。受付が始まる月と、締切の2週間前の2回、通知が出るようにしておきます。

引き継ぎ書に必ず書く。 担当者が代わるときの引き継ぎ資料に、情報公表の項目を固定で入れておきます。年1回の作業は、引き継ぎのときに最も落ちやすいものです。

運営指導の前にまとめて点検する

運営指導の通知が届いてから慌てて確認するのではなく、年度の初めに一度、減算に関わる項目をまとめて点検しておくと安心です。

  • 個別支援計画の作成・モニタリングの期限
  • 虐待防止の委員会・指針・研修・担当者
  • 身体拘束の記録・委員会・指針・研修
  • 業務継続計画の策定・研修・訓練
  • 情報公表の報告

この5つは、いずれも「やっていなかった」ではなく「記録が無い」「報告を忘れた」で減算になるものです。点検の順番を決めて、毎年同じ時期に見直す形にしておくことをおすすめします。

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(情報公表の報告そのものを代行するサービスではありません。研修に関わる部分をお手伝いします)

まとめ

情報公表未報告減算は、施設入所支援など5サービスで10%、その他で5%と重いものです。年に一度の事務作業であるがゆえに、担当者の交代や事業所の追加で漏れます。事業所の一覧に情報公表の欄を作り、引き継ぎ書に固定で載せておくところから始めてください。

※減算率や対象サービスの区分、報告の時期は自治体によって異なります。実際の対応は指定権者にご確認ください。

この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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