障がい福祉の運営指導で最も指摘される「個別支援計画未作成減算」、30%・50%を防ぐ実務
障がい福祉サービスの運営指導で、最も多く指摘されるもののひとつが個別支援計画に関する事項です。計画書そのものが無いというケースは稀で、実際には「作成に至るまでの一連の業務が記録として残っていない」ことで減算の対象になります。
減算額は1か月目から30%、3か月目以降は50%
個別支援計画未作成減算は、未作成の状態が続いた期間に応じて段階的に重くなります。1〜2か月目は所定単位数の30%を減算、3か月目以降は50%を減算です。
利用者1人あたりの基本報酬が月10万円だとすれば、3か月目以降は月5万円が失われる計算になります。対象者が複数いれば、金額は一気に膨らみます。しかも減算は遡って適用されるため、運営指導で指摘されてから慌てても間に合いません。
「作っていない」だけが対象ではない
減算の対象になるのは、次のいずれかに当てはまる場合です。
- サービス管理責任者(児童発達支援管理責任者)の指揮のもとで個別支援計画が作成されていない
- 指定基準に定める、個別支援計画の作成に係る一連の業務が適切に行われていない
実務で問題になるのは、ほぼ後者です。計画書は存在するのに、そこへ至る過程の記録が欠けている状態を指します。
運営指導で実際に見られる8つの点
次の8つは、指摘としてよく挙がるところです。自事業所の状態を1つずつ確かめてみてください。
- アセスメントの記録や面談の記録が残っていない
- 計画の作成者がサービス管理責任者(児発管)ではない
- 個別支援会議(検討会議)の記録がない
- 利用者・保護者への説明と同意が遅れている、または記録がない
- 6か月以内の見直しが行われていない
- モニタリングの記録が残っていない
- 受給者証の更新時に計画の変更をしていない
- 相談支援事業所への交付ができていない
計画書のファイルだけを整えても、この8つのどれかが欠けていれば「一連の業務が適切に行われていない」と判断され得ます。
月次で回す仕組みにする
年に一度まとめて点検するやり方では、期限は必ずどこかで抜けます。次の3つを月次の作業に組み込むのが現実的です。
期限の一覧を1枚にする。 利用者ごとに、計画の作成日・同意日・次のモニタリング期限・受給者証の有効期限を並べた表を用意します。誰が見ても、来月に何が来るかが分かる形にします。
会議と同意を同じ日に完結させない。 個別支援会議の記録、説明・同意、交付は、それぞれ別の記録です。会議のあとに同意をもらうまで日が空くと、そこが指摘の入口になります。
サービス管理責任者の関与を、記録の形で残す。 誰が作成したかが分かるよう、会議録に出席者を明記し、計画書に作成者名を記載します。担当者が交代したときこそ抜けやすいところです。
研修の記録も同じ考え方で
個別支援計画に限らず、運営指導は「やったかどうか」ではなく「やったと証明できるか」を見ています。虐待防止・身体拘束・感染症・BCPといった法定研修も同じで、実施したこと自体より、実施記録・受講者・周知の記録が揃っているかが問われます。
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(個別支援計画の作成そのものを支援するサービスではありません。研修の実施と記録の部分をお手伝いします)
まとめ
個別支援計画未作成減算は、1〜2か月目で30%、3か月目以降で50%と、事業所の経営に直接響きます。計画書の有無ではなく、アセスメントから同意・交付・モニタリングまでの一連の記録が揃っているかが分かれ目です。期限の一覧を1枚にまとめ、月次で確認する形にしておくことをおすすめします。
※減算の取り扱いや必要書類は、サービス種別や自治体によって運用が異なる場合があります。実際の対応は指定権者にご確認ください。