非常勤・パート職員の研修、出勤日がそろわない事業所の届け方と記録

週2日勤務の職員が半分いる事業所の悩み

シフト表を眺めながら、研修の日程をどう組むか頭を抱えたことがある管理者・教育担当の方は多いと思います。常勤職員は月に一度の会議や研修日に出席できますが、非常勤・パート職員は出勤日が週2日、3日、あるいは曜日固定でシフトが組まれていることも多く、全員が同じ日に顔を合わせる機会がほとんどありません。

そのため、実際に多いのが「研修は常勤中心で実施し、非常勤には後で資料を渡す」というやり方です。ですがこれでは、資料を読んだかどうかの確認が難しく、内容の理解度も把握できません。運営指導や監査で研修記録を確認された際に、「非常勤職員の受講記録が薄い」「実施した根拠が曖昇」と指摘されるケースは、規模の大小を問わず起きています。

出勤日がそろわない職員に研修を届けるには、集合形式を前提にした計画そのものを見直す必要があります。

「集めて実施」から「個別に届く」設計へ

非常勤・パート職員向けの研修設計で最初に見直したいのは、「いつ全員を集めるか」という発想です。出勤日がそろわない以上、集合を前提にした研修計画は必ずどこかで抜け漏れが出ます。

代わりに検討したいのが、各自の出勤日に個別に完了できる形式です。たとえば、休憩時間や勤務開始前の短い時間に、決められた期間内であれば自分のタイミングで取り組める研修を用意する方法があります。この形式であれば、週2日勤務の職員でも「今週出勤した日に済ませる」という進め方が可能になります。

このとき意識したいのは、時間の長さです。非常勤・パート職員の勤務時間は限られているため、30分や1時間かかる研修は現実的に組み込みにくいものです。当社が提供している福ひろばラーニングは、7分で読み終わるコースという形をとっており、休憩の合間や勤務前の短い時間でも受講しやすいように作られています。動画のように視聴に時間を取られることなく、読むかたちで内容を確認できる点が、出勤日が限られる職員にも届きやすい理由になっています。

もちろん福ひろばラーニングに限らず、自事業所で作成した資料をこの発想で組み直すこともできます。要は「集合日を待たせない」「短時間で完了できる」という2点を、非常勤研修の設計基準として持っておくことが大切です。

誰がいつ受講したかを追える記録の残し方

研修を個別に届ける形にした場合、次に問われるのが記録です。集合研修であれば出席簿に名前を書いてもらえば済みますが、個別に受講する形式では「誰が」「いつ」「どの内容を」受講したかを、別の方法で残す必要があります。

最低限押さえておきたいのは次の3点です。

  • 受講した職員の氏名
  • 受講した日付
  • 受講した研修のテーマ・内容

これらを一覧にした受講記録簿を用意し、非常勤・パート職員が出勤した際に自分で記入する、あるいは管理者が確認して記入する運用にしておくと、後から誰が未受講かを一目で把握できます。紙の記録簿でも構いませんが、非常勤職員が複数の曜日に分散して出勤する事業所では、誰かが記入を忘れると抜けが分かりにくくなる点に注意が必要です。

受講内容の理解度についても、一言メモを残してもらう欄を設けておくと、後日「実施した」ことの証明だけでなく「内容が伝わった」ことの記録にもなります。運営指導では「実施記録があるか」に加えて「内容が職員に届いているか」を確認されることがあるため、この一言メモは意外と役立ちます。

処遇改善の要件や年間計画との関係

非常勤・パート職員の研修記録は、処遇改善加算のキャリアパス要件など、他の書類とも関連してくることがあります。ただし、要件の具体的な内容や研修の回数、対象範囲はサービス種別や自治体によって異なるため、詳細は指定権者にご確認ください。ここで大切なのは、非常勤職員を「対象外」として扱わず、常勤職員と同じ研修計画の中に位置づけておくことです。

年間の研修計画を立てる際も、非常勤・パート職員がいつ・どの研修を受けられるかを最初から組み込んでおくと、後になって「非常勤の記録が足りない」と慌てることが減ります。出勤日が固定されている職員が多い場合は、その職員たちの出勤パターンを事前に確認し、無理なく完了できる期間を設定しておくことも有効です。

まとめ

非常勤・パート職員の研修は、集合日を待つのではなく、出勤日に合わせて個別に届く形式に切り替えることで届きやすくなります。受講記録は氏名・日付・内容の3点を最低限残し、理解度のメモも添えておくと、実施の証明だけでなく内容が伝わったことの記録にもなります。処遇改善の要件との関係は自治体によって異なるため、必ず指定権者に確認しながら、非常勤職員を年間計画の中にきちんと位置づけておきましょう。

出典・参考

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

▶ WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

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📚 福ひろばラーニングは、介護・障がい福祉のための研修eラーニングです。法定研修の実施と記録を1か所にまとめ、年間研修計画書と実施記録は管理画面からそのまま印刷できます。1人月220円(税込)。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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