利用者さんの『困った行動』を理由から見る視点|認知症の理解にもつながる
こんな場面、ありませんか
食事の時間になると落ち着かなくなって立ち上がってしまう。夜になると「家に帰る」と言って玄関の方へ歩いていく。着替えを手伝おうとすると強く手を払われる。介護の現場で働いていると、こうした場面に一日のうちに何度も出会います。
忙しい時間帯に限ってこうした行動が重なると、正直なところ「またか」と感じてしまうこともあると思います。自分を責めているわけではなく、業務が回らなくなる焦りや、安全を守らなければという緊張感から、つい「困った行動」として処理してしまいやすいのも事実です。
ただ、少し立ち止まって考えてみると、利用者さんの側にも何かしらの事情があることがほとんどです。今回は、そうした行動を「困った」で終わらせずに、理由を探す視点について書いてみます。
行動には理由があるという前提
認知症のケアを学ぶ中で必ず出てくる考え方に、「行動にはその人なりの理由がある」というものがあります。本人の中では、周囲から見ると不可解に思える行動も、何かのサインであることが多いとされています。
例えば、食事の時間に立ち上がってしまう場合、単純に落ち着きがないのではなく、トイレに行きたいのを言葉にできない、椅子が合わず体が痛い、周囲の音や人の動きが気になって集中できない、といった背景があるかもしれません。夕方になって「帰る」と言う場合も、不安や混乱から来る自然な反応であることが知られています。
着替えを嫌がる動作も、こちらが急かしすぎている、体に触れられる感覚が不快、過去の記憶や習慣とのずれが引っかかっている、など理由はひとつではありません。
大事なのは、「正解の理由」をすぐに当てることではなく、「何か理由があるはずだ」という前提に立って、行動の前後の状況を観察してみることだと思います。声をかけるタイミング、周囲の環境、時間帯、直前に何があったか。こうした情報を積み重ねていくと、少しずつ傾向が見えてくることがあります。
もちろん、現場は忙しく、毎回じっくり観察する余裕がないのも現実です。それでも「この行動には理由があるかもしれない」という視点を持っているかどうかで、同じ場面に出会ったときの受け止め方は変わってきます。
認知症の理解と資格の学びがつながる理由
こうした視点は、介護福祉士の試験勉強で学ぶ認知症の知識とも重なっています。中核症状と行動・心理症状(BPSD)の違いや、それぞれの背景にある脳の変化、本人の心理状態について学ぶことで、現場で出会う行動を「困った行動」ではなく「理解しようとする対象」として見られるようになっていきます。
資格取得を考えている方の中には、「現場での経験はあるけれど、知識として整理できていない」と感じている方も多いのではないかと思います。経験してきたことに知識が結びつくと、日々の対応にも少し自信が持てるようになります。
福ひろばラーニングでは、介護福祉士国家試験対策として一問一答形式の問題を1,000問用意しています。認知症に関する分野も含まれていて、20問までは無料で試すことができます。すきま時間に少しずつ解いていくだけでも、現場での「あれはそういうことだったのか」という気づきにつながることがあります。文章を読んで理解するスタイルなので、移動中や休憩時間でも進められるのも使いやすいところです。
受験資格については制度によって細かい条件があるため、詳しくは公式の案内をご確認ください。
まとめ
利用者さんの行動を「困った」で終わらせず、「理由があるはずだ」という視点で見てみると、対応の仕方や気持ちの持ち方が少しずつ変わってきます。これは特別な技術ではなく、日々の観察の積み重ねから身につくものです。知識として整理しておくと、現場での理解もより深まります。忙しい毎日の中でも、少しずつで構わないので、行動の理由を考える習慣を持ってみてください。
出典・参考
※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。
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