多職種に伝わる言葉の選び方|看護職・リハ職との会話で困らないために
カンファレンスで聞き返された経験、ありませんか
申し送りやカンファレンスで、看護師やリハ職に様子を伝えたときに「それって具体的にどういうことですか」と聞き返された経験がある方は多いのではないでしょうか。自分では十分に伝えたつもりでも、「最近元気がない」「歩くのがふらついている」といった言い方だと、相手は何をもとに判断すればいいのか分からないことがあります。
介護の現場では、利用者の様子を日々近くで見ているからこそ、感覚的に「いつもと違う」と気づくことができます。この気づきはとても大切なものです。ただ、その気づきをそのまま言葉にして伝えると、看護職やリハ職には情報として受け取りにくいことがあります。伝え方を少し変えるだけで、同じ内容でもぐっと伝わりやすくなります。
なぜ同じ「できない」が伝わらないのか
介護職同士であれば、「立位が不安定」と言えばお互いに状況が浮かびます。しかし看護職は医学的な根拠や経過を知りたがりますし、リハ職は動作をもっと細かく分解して捉えようとします。同じ「できない」という言葉でも、職種によって知りたいポイントが違うのです。
例えば「食事がうまく食べられない」という報告だけでは、看護職は誤嚥のリスクや体調の変化を疑いますし、リハ職は上肢の動きや姿勢保持の問題を考えます。どちらも大事な視点ですが、こちらが具体的な場面を伝えないと、相手は手探りで質問を重ねることになり、結果として「もう少し詳しく教えてください」と聞き返される流れになりがちです。
看護職に伝わる言葉の選び方
看護職に伝えるときは、観察した事実と時系列を意識すると伝わりやすくなります。「元気がない」ではなく、「朝の挨拶に反応がなかった」「いつもは完食する昼食を半分残した」というように、いつ、何を観察したかを具体的に言葉にします。
バイタルの数値が分かる場合はそのまま伝え、数値だけでなく「普段と比べてどう違うか」を添えると、看護職は経過を把握しやすくなります。「体温が37.2度でした」だけでなく「普段は36度台なので、少し高めです」と一言加えるだけで、相手の受け取り方が変わります。
リハ職に伝わる言葉の選び方
リハ職に伝えるときは、動作をできるだけ分解して伝えることがポイントです。「歩行が不安定」という表現よりも、「立ち上がるときに手すりを強く握っていた」「歩く途中で右に傾くことがあった」というように、動作のどの場面でどんな様子だったかを具体的に伝えます。
また、介助量の変化も重要な情報です。「以前は見守りで歩けていたが、今日は一部介助が必要だった」といった介助量の違いは、リハ職にとって機能の変化を把握する手がかりになります。環境面の情報、例えば「廊下の手すりがない場所で不安定だった」なども、リハ職が環境調整を考える材料になります。
こうした言葉の選び方は、介護福祉士の試験勉強を通して身につくこともあります。医学的な根拠に基づいた表現や、動作を分解して捉える視点は、試験で扱う内容と重なる部分が多いからです。福ひろばラーニングには介護福祉士国家試験の一問一答が1,000問近く用意されていて、20問までは無料で受講できます。通勤のすきま時間に読み進めるだけでも、普段の言葉の選び方が少しずつ変わっていくのを感じられるかもしれません。
言葉を変えるだけで関係が楽になる
多職種との会話がぎこちなく感じるのは、相手の知りたいことと自分の伝え方がかみ合っていないだけ、ということがよくあります。専門用語を覚える必要はありませんが、「いつ」「何を」「どんな場面で」観察したかを意識するだけで、聞き返される回数はぐっと減ります。
これは特別な技術ではなく、日々の申し送りの中で少しずつ練習できることです。一度にすべてを変えようとせず、次の申し送りで一つだけ意識してみる、というくらいの気持ちで十分だと思います。
まとめ
看護職やリハ職に伝わる言葉は、観察した事実と時系列、動作の分解を意識することで自然と身についていきます。資格の勉強で触れる医学的な視点も、普段の伝え方を見直すきっかけになります。完璧な言葉を探すより、まずは次の申し送りで一つ具体的にしてみることから始めてみてください。
出典・参考
※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。
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