介護過程の勉強法|アセスメントから評価まで一つの事例でつかむ

この記事では、架空の場面を一つ想定して、情報収集からアセスメント、目標設定、計画、実施、モニタリング、評価までを一本の流れとして追ってみます。実際の利用者さんの話ではなく、あくまで練習用の例として読んでください。

情報収集とアセスメントは「分けて」考える

まずつまずきやすいのが、情報収集とアセスメントを同じものだと思ってしまうことです。

情報収集は「事実を集める」段階です。食事の量、歩行の様子、会話の内容、家族からの聞き取りなど、見たこと・聞いたことをそのまま書き出します。この段階では解釈を入れません。

アセスメントは、集めた事実から「なぜそうなっているのか」「どんな力が残っているのか」を考える段階です。

たとえば、「食事の後半に箸を置く時間が増えてきた」という事実があったとします。情報収集はここまでです。アセスメントでは、「疲労によるものなのか」「むせやすさが関係しているのか」「会話に気を取られているのか」といった可能性を、他の情報と突き合わせながら絞り込んでいきます。ここで安易に「加齢のため」とだけ書いてしまうと、その後の計画が立てにくくなります。何が原因で、どんな力が残っているかまで踏み込むのがアセスメントです。

課題から目標、計画への流れを一直線にする

アセスメントで見えてきたことを、次は生活課題として整理します。先ほどの例でいえば、「疲労によって食事後半の摂取量が減っている可能性がある」という解釈が、「安全に、必要な栄養量を摂取できる」という課題につながります。

ここで目標を立てるときに意識したいのは、アセスメントで挙げた原因に対応した目標になっているかどうかです。疲労が原因だと考えたなら、「休憩を挟みながら最後まで摂取できる」といった目標になります。むせやすさが原因だと考えたなら、目標の中身は変わってきます。アセスメントの内容と目標がずれていると、計画も実施も評価もすべてかみ合わなくなってしまいます。

計画を立てる段階では、目標を達成するための具体的な支援内容に落とし込みます。「休憩を挟む」という目標であれば、「食事開始から10分を目安に声をかけ、一度箸を置いてもらう時間を作る」といった、誰が読んでも同じ行動ができる書き方にします。抽象的な表現のままだと、担当者によって支援がばらついてしまい、評価のときに「計画通りにできたかどうか」が判断できなくなります。

実施・モニタリング・評価をつなげて見る

計画を立てたら実施に移りますが、実施した内容と、その結果どうだったかを記録しておくことが、モニタリングと評価の材料になります。

モニタリングは、計画の途中経過を見る段階です。「声かけのタイミングは適切だったか」「摂取量に変化はあったか」を、短い期間でも確認していきます。ここで変化が見えなければ、計画そのものを見直す必要が出てきます。

評価は、最終的に目標が達成されたかどうかを、アセスメントの内容に立ち返って確認する段階です。「休憩を挟んだことで最後まで摂取できるようになった」のであれば、疲労という原因の見立てが妥当だったということになります。逆に変化がなければ、アセスメントの段階に戻って、別の原因を考え直すことになります。

このように、アセスメントで立てた仮説が、目標・計画・実施・モニタリングを通って、評価の段階で検証される、という一本の流れとして捉えると、各段階が独立した作業ではなく、つながった考え方であることが見えてきます。

介護福祉士の受験対策として用語や制度を覚えること自体も大切ですが、介護過程の問題は、こうした流れの理解がそのまま得点につながる分野です。福ひろばラーニングでは一問一答を1,000問用意していて、20問までは無料で試せるようになっています。通勤時間などの合間に読める分量で作っているので、流れの確認と並行して使ってみるのもよいかもしれません。

記録を書くときに流れを意識する

実際の記録を書くときも、この一本の流れを意識すると、どこから書けばよいか迷いにくくなります。情報収集で集めた事実と、アセスメントで導いた解釈を混在させずに書き分けること、目標と計画の対応関係がずれていないか見直すこと、評価の際にはアセスメントまで立ち返って考えること。この三つを意識するだけでも、記録の筋道がはっきりしてきます。

研修やテキストで各段階を個別に学んだ後に、一つの場面を通して最初から最後まで自分で書いてみると、知識のつながり方が整理されます。実際の記録を書く際にも、この練習が土台になります。

まとめ

介護過程は、情報収集、アセスメント、目標設定、計画、実施、モニタリング、評価がひとつながりの考え方としてつながっています。架空の場面でもよいので、一つの事例を最初から最後まで自分で書いてみることが、流れを体で覚える近道です。資格取得を考えている方は、こうした流れの理解と並行して、一問一答などで知識を補っていくとよいと思います。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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