サービス管理責任者の関与をどう記録する?誰が作成したかの示し方

運営指導で聞かれる「この計画は誰が作ったか」

運営指導の場面で、個別支援計画の内容そのものよりも先に「この計画はどなたが作成されましたか」と尋ねられることがあります。担当者名が記入欄にあっても、それだけでサービス管理責任者が実際に関わったことの証明にはなりません。現場では、担当職員がアセスメントをまとめ、サービス管理責任者が最終確認して押印する、という流れになっている事業所が多いと思います。この「最終確認」の部分が記録に残っていないと、作成の主体があいまいなまま計画が走ってしまいます。

児童発達支援管理責任者の場合も同じ構造があります。保育士や児童指導員が日々の記録や発達の様子をまとめ、それを基に児発管が計画に落とし込む流れです。この分業自体は問題ではありません。問題になるのは、分業の過程が記録として残っていないことです。

サビ管の関与とは具体的に何を指すか

関与という言葉は幅が広いので、まず何をもって関与とするかを事業所内で共通認識にしておく必要があります。一般的には次のような場面が関与の実態にあたります。

  • アセスメント内容の確認と、不足している視点の指摘
  • 個別支援会議での発言や、方針の最終判断
  • 計画案の文言修正や、目標設定の調整
  • 利用者・家族への説明の場への同席、または説明内容の事前確認
  • モニタリング結果を踏まえた計画見直しの判断

これらはどれも「やったかどうか」を後から口頭で説明することはできますが、記録として残っていなければ、第三者が見たときに確認のしようがありません。運営指導では、担当者の記憶ではなく記録そのものが根拠になります。サービス種別や自治体によって確認される書類の詳細は異なるため、具体的な様式については指定権者にご確認いただくのが確実です。

記録に残すべきポイント

関与を記録で示すための工夫は、特別な書式を新しく作ることではなく、今ある書類に「いつ・誰が・何をしたか」を足していくことです。

まず会議録には、出席者だけでなく発言内容を簡潔にでも残します。「サービス管理責任者より、就労先での対人関係について追加の聞き取りが必要との指摘あり」といった一文があるだけで、関与の実態が見えます。出席者一覧に名前があるだけでは、発言したのか、ただ同席していただけなのか区別がつきません。

次に、計画案の修正履歴です。担当職員が作った初稿と、サービス管理責任者が確認して直した版が別々に残っていれば、どこにどんな判断が加わったかがたどれます。紙の計画であれば、修正箇所に日付と確認印を残すだけでも十分です。

署名・押印欄についても、作成者欄とサービス管理責任者確認欄を分けておくと、誰が原案を作り誰が最終確認したかが一目で分かります。同じ欄に両方の役割をまとめてしまうと、後から見たときに作成主体が不明瞭になります。

モニタリングの記録にも同じ考え方が当てはまります。モニタリングをしたのが担当職員であっても、その結果を踏まえて計画を変更するかどうかの判断はサービス管理責任者が行うものです。この判断の経緯が記録に残っていれば、計画変更のたびに関与を証明する必要がなくなります。

研修記録と組み合わせて示す

個別支援計画の作成プロセスに関する記録は、単独で整えるよりも、サービス管理責任者自身がどのような知識を持って判断しているかとセットで示すほうが説得力が増します。たとえば、アセスメントの視点や意思決定支援についてサービス管理責任者がどの程度研修を受けているかは、関与の質を裏付ける材料になります。

福ひろばラーニングは読むかたちのeラーニングで、7分で読み終わるコースを中心に、個別支援計画の作成プロセスや意思決定支援といったテーマも扱っています。サービス管理責任者が受講した記録が残っていれば、計画への関与を単なる押印作業ではなく、根拠を持った判断として説明しやすくなります。研修記録と計画作成記録は別々に管理されがちですが、同じ時期の出来事として並べてみると、関与の実態がより具体的に見えてきます。

まとめ

個別支援計画は誰が作成したかを問われたとき、担当者名だけでは関与の証明になりません。会議録の発言内容、修正履歴、確認欄の分離など、日々の記録にひと手間加えることで、サービス管理責任者の関与は後から確認できる形に残せます。研修記録と組み合わせて見ることで、関与の裏付けもより具体的になります。

出典・参考

▶ 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)

▶ WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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