感染症対策の研修は年何回?サービス種別ごとに回数を確定する考え方
年度末に「何回やったか」を数え直すことになっていないでしょうか
運営指導の案内が来てから、今年度の感染症対策の研修と訓練を数え直す、という事業所もあるのではないでしょうか。新型コロナウイルス対応が落ち着いてからも、感染症対策の研修・訓練・委員会は介護保険・障がい福祉の両方でルール化されています。ただ、委員会の開催、研修、訓練(シミュレーション)がそれぞれ何回必要なのか、サービス種別によって扱いが違うことまで整理している事業所は、意外と少ないかもしれません。年間計画を立てる段階で、回数を決めてしまうのが一番確実です。
委員会・研修・訓練、3つを分けて数える
感染症対策というと「研修を1回やった」で終わらせてしまいがちですが、求められているのは次の3つです。
- 感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備
- 委員会(またはそれに準ずる会議体)の開催
- 職員への研修の実施
- 感染症発生を想定した訓練(シミュレーション)の実施
このうち研修と訓練は、どちらも年1回以上が目安とされています。研修は座学・知識の習得、訓練は実際に防護具を着脱したり、発生時の初動を動かしてみたりする実技に近いものです。この2つは性質が違うので、同じ1回にまとめず、別の機会として記録しておくほうが説明しやすくなります。回数の下限は年度によって見直されることもあるため、最終的な回数はサービス種別や自治体によって異なる可能性があります。指定権者への確認は省かずに行ってください。
サービス種別で「義務」と「努力義務」が分かれる
ここが見落とされやすい点ですが、委員会の設置や訓練の実施は、すべてのサービス種別で一律に義務付けられているわけではありません。通所介護や短期入所、入所系の施設サービスのように利用者が同じ空間で長時間過ごすサービスでは、委員会・研修・訓練のすべてが求められます。一方、訪問系のサービスや居宅介護支援など、利用者宅を個別に訪問する形態では、指針の整備は必須でも、委員会の設置や訓練の実施が努力義務にとどまっている場合があります。
障がい福祉サービスでも同様の考え方で、通所系・入所系と居宅系とで扱いに差が設けられていることがあります。自分の事業所がどちらに該当するかを確認したうえで、「うちは研修・訓練とも年1回以上を必須と考える」「うちは努力義務だが、実施する」というように、年間計画の段階で方針を決めておくと、途中で回数が曖昧になりません。通所介護を中心に運営している事業所であれば、委員会・研修・訓練をセットで年間計画に組み込んでおくのが安全です。
研修と訓練、それぞれの実施方法を分けて考える
回数が確定したら、次は「誰が何を担当するか」です。研修は、感染症の基礎知識や標準予防策、嘔吐物の処理手順など、知識として伝えるべき内容が中心になります。ここは全職員が同じ内容を、同じ水準で理解しておく必要があるため、座学として進めやすい部分です。福ひろばラーニングでは、感染症対策の基礎を扱う7分で読み終わるコースを用意しているので、新規採用時の研修や、全員での再確認に使っていただけます。受講履歴も残るので、誰がいつ受講したかを委員会の記録と突き合わせやすくなります。
一方、訓練は防護具の着脱や発生時の動き方といった実技を伴うため、読むだけでは完結しません。実際に現場で手を動かしてみる機会として、別に時間を確保しておく必要があります。研修で知識を揃え、訓練で動きを確認する、という役割分担を決めておくと、年間計画も立てやすくなります。
まとめ
感染症対策は、委員会・研修・訓練を分けて、それぞれ年1回以上を目安に年間計画へ組み込むことが基本です。ただし委員会や訓練の扱いはサービス種別によって義務・努力義務が分かれるため、自分の事業所がどちらに当たるかを指定権者に確認したうえで回数を確定してください。研修は知識の習得、訓練は実技の確認と役割を分けて記録しておくと、後から振り返るときにも説明しやすくなります。
出典・参考
▶ 介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修資料・動画(厚生労働省)
※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。
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