研修の受講率が上がらない?督促より届き方と時間を見直す

督促を重ねても動かないという方もいるのではないでしょうか

月末が近づくたびに未受講者へメールを送り、朝礼で声をかけ、それでも受講率が思うように上がらない。そんな状態が続いている事業所もあるのではないでしょうか。督促の回数を増やしても、反応する人はいつも同じで、手がつかない人はずっと手をつけない。この状態が続くと、教育担当の負担だけが増えていきます。

受講率が上がらない原因を「意識の低さ」で片づけてしまうと、次に打てる手がなくなります。実際には、意識の問題というより、研修の情報が目に入るタイミングと、受講のために確保できる時間が合っていないことが多いです。督促を増やす前に、この2つを分けて考えてみると、対策の方向が見えてきます。

届かない理由を考える

まず、研修の案内がどこに届いているかを確認してみます。紙の掲示だけで案内している場合、出勤日が不規則な非常勤職員は見る機会がそもそも少なくなります。メール配信にしていても、業務用のアドレスを日常的に開かない職種もあります。管理者が「伝えたつもり」でも、受け手側の生活リズムに合っていなければ、情報は届いていないのと同じです。

次に、受講にかかる時間の見通しが立っているかどうかです。研修が何分で終わるのか分からないと、後回しにされやすくなります。15分の空き時間があっても、「このコースは何分で終わるか分からない」と感じると、手をつけずに終わってしまいます。逆に「このコースは7分で読み終わる」と分かっていれば、休憩中の空き時間に組み込みやすくなります。福ひろばラーニングは読むかたちのeラーニングで、各コースの所要時間をあらかじめ示しているため、職員が自分の隙間時間と照らし合わせて予定を立てやすくなります。督促の文面を工夫するより、こうした所要時間の見える化のほうが、実際の行動につながりやすいことがあります。

時間の取り方を変える

届き方を整えても、業務時間内に受講する時間がまったく確保されていなければ、結局は後回しになります。ここで見直したいのが、研修時間をどこに組み込むかという点です。

シフトの隙間に「研修時間」として明示的に枠を取っている事業所と、各自の自己判断に任せている事業所とでは、受講の進み方に差が出やすくなります。たとえば、早番の職員が記録の締め作業を終えた後の10分間、遅番の職員が申し送り前の空き時間など、業務の切れ目に合わせて受講枠を示すと、「いつやればいいか」という迷いが減ります。

非常勤職員については、出勤日が揃わないことが受講の遅れにつながりやすい層です。全員一律の締切を設定するのではなく、出勤日を基準にした個別の目安を示すほうが、無理なく進められる場合があります。この点は研修計画を立てる段階で、常勤と非常勤を分けて期限を考えておくと、後からの督促が減ります。

また、受講状況を確認する頻度も見直しの対象です。月末にまとめて確認するのではなく、週単位で進捗を見える形にしておくと、未受講者が溜まる前に声をかけられます。督促というより、進捗の共有に近い形にすることで、責められている感覚を減らすことができます。

記録の残し方も合わせて整える

受講率を上げる取り組みをしても、記録の残し方が曖昧だと、運営指導の際に実施状況を示しにくくなります。誰が、いつ、どのコースを受講したかを一覧で管理できる仕組みにしておくと、督促の判断材料にもなりますし、年間の実施状況を振り返る際にも使えます。

記録は受講完了のタイミングだけでなく、受講予定と実績を並べて見られるようにしておくと、どの層が遅れがちなのかが把握しやすくなります。常勤・非常勤、拠点ごとに分けて見られるようにしておくと、次の研修計画を立てる際の参考にもなります。督促の文面を考える時間を、記録の整理や進捗確認の仕組みづくりに振り向けるほうが、長い目で見て負担が軽くなることが多いです。

まとめ

研修の受講率が上がらないときは、督促の回数を増やす前に、案内の届き方と受講にかかる時間の見通しを見直してみます。所要時間を明示し、業務の切れ目に受講枠を示し、週単位で進捗を共有する形に変えるだけでも、動きが変わることがあります。記録の管理を合わせて整えておくと、次の計画づくりにも役立ちます。

出典・参考

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

▶ WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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