介護福祉士の暗記が苦手な人へ。丸暗記より理由から覚える方法

覚えたそばから忘れる、それは暗記のやり方のせいかもしれません

夜勤明けや休憩時間に参考書を開いて、用語や数値を何度も書いて覚えようとしたのに、翌日になるとほとんど頭に残っていない。そんな経験がある方は多いと思います。特に介護福祉士の資格取得を目指していると、覚えることの多さに圧倒されて、途中で手が止まってしまうこともあるのではないでしょうか。

暗記が苦手だと感じている人の多くは、実は記憶力そのものに問題があるわけではありません。覚え方が「丸暗記」に偏っているだけということがよくあります。丸暗記は忘れるのが早く、しかも現場で応用が利きにくいという特徴があります。今回は、丸暗記に頼らず、理由から覚えることで忘れにくくする考え方についてお話しします。

丸暗記が定着しにくい理由

丸暗記は、言葉と言葉を機械的に結びつけているだけの状態です。たとえば「褥瘡の好発部位は仙骨部」という一文をそのまま覚えようとすると、その言葉自体には意味のつながりがないため、記憶が単なる文字列として頭に入ります。文字列としての記憶は、時間が経つと崩れやすく、少し言い回しが変わっただけで「あれ、なんだったっけ」となりがちです。

さらに、丸暗記した知識は、試験問題の聞き方が少し変わるだけで対応できなくなることもあります。「なぜそうなるのか」を理解していないと、知識同士がつながらず、応用問題に弱くなってしまいます。介護の現場では、教科書通りの状況ばかりではないので、理由を理解しているかどうかで、実際の対応にも差が出てきます。

もう一つ、丸暗記が続かない理由として、覚える作業そのものが単調でつらいということもあります。ただ書き写す、ただ声に出して読む、という作業は集中力が続きにくく、途中で嫌になってしまう人も多いのではないでしょうか。

「なぜそうなるか」から覚えると忘れにくい

先ほどの褥瘡の例で考えてみます。「仙骨部にできやすい」という結果だけを覚えるのではなく、「仰向けで長時間過ごすと、体重が骨の突出した部分に集中してかかりやすく、皮膚と骨の間の血流が悪くなりやすいから」という理由まで含めて理解すると、記憶のされ方が変わります。理由がわかると、仙骨部という言葉だけでなく、なぜそこなのかという説明を自分の言葉で言えるようになります。これは、単語を覚えたのではなく、仕組みを理解した状態です。

仕組みとして理解した知識は、多少表現が変わっても対応できます。「体位変換が必要な理由」を聞かれても、「褥瘡ができやすい部位」を聞かれても、根っこにある仕組みの理解があれば、どちらの聞き方にも答えられます。丸暗記した一文だけでは、聞き方が変わった瞬間に答えられなくなることが多いのですが、理由から理解していると、そういう揺れに強くなります。

理由を考えるときは、「もし理由がなかったらどうなるか」を想像してみるのも一つの方法です。「なぜこの介助方法が推奨されているのか」を考えるときに、「もしこの方法を取らなかったら、利用者にどんな負担がかかるか」を逆から考えてみると、理由が具体的に頭に入ってきます。

現場の経験と結びつけて覚える

介護の現場で働いている人にとって、もう一つ有利な点があります。それは、教科書の内容を、実際に自分が現場で見たり経験したりしたことと結びつけられることです。

たとえば、体位変換の頻度や、移乗の際の声かけの順番など、日々の業務の中で当たり前にやっていることには、それぞれ理由があります。その理由を、参考書の説明と照らし合わせてみると、「ああ、これはあの場面で気をつけていることと同じだ」とつながることがあります。このつながりができると、単なる知識ではなく、自分の経験に紐づいた記憶になるので、忘れにくくなります。

現場での経験は、覚える上での大きな武器です。すでに体で覚えていることに、後から理由という言葉を当てはめていく感覚に近いかもしれません。逆に言うと、参考書の言葉だけを追いかけるのではなく、「これは自分がやっているあの動作のことだ」と気づく作業を意識してみると、理解が進みやすくなります。

理由から理解する勉強を続けていくと、次は知識が定着しているかどうかを確かめる段階に入ります。ここで、問題を解いて自分の理解を試してみることが役に立ちます。福ひろばラーニングでは、介護福祉士国家試験の一問一答を1,000問分用意していて、20問までは無料で解くことができます。理由から覚えた知識が、実際の問題形式でどこまで通用するか、短い時間で確認してみるのも一つの方法です。読むかたちのコースも用意されていて、たとえば7分で読み終わるコースなど、隙間時間に少しずつ進められるものもあります。休憩時間や通勤の合間など、まとまった勉強時間が取りにくい人でも取り組みやすい形になっています。

まとめ

暗記が苦手だと感じるとき、原因は記憶力ではなく、覚え方が丸暗記に偏っていることが多いです。結果だけでなく「なぜそうなるか」という理由まで理解すると、聞かれ方が変わっても対応できるようになり、記憶も定着しやすくなります。現場で日々経験していることと結びつけて考えると、教科書の言葉が自分の言葉として頭に入ってきます。理由から覚える勉強を、少しずつ試してみてください。

出典・参考

▶ 介護福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

※試験の日程・受験資格・出題範囲は年度によって変わります。必ず公式の案内をご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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