サービス等利用計画と個別支援計画、役割の違いを整理する

担当者会議のたびに感じるすれ違い

担当者会議に出席すると、相談支援専門員が持ってきたサービス等利用計画と、事業所側で作った個別支援計画の方向性が微妙にずれていると感じることがあります。利用者や家族の意向の書き方が違っていたり、目標の表現が重なっていたり、逆にどちらにも書かれていない課題があったり。モニタリングのタイミングが合わず、片方だけ更新されて半年近くそのままになっていたという話も珍しくありません。

管理者やサービス管理責任者、児童発達支援管理責任者としては、この2つの計画がそれぞれ何のためにあるのかを自分の中で整理できていないと、連携の場で何を確認すればいいのか分からなくなります。結果として「相談支援専門員にお任せ」「うちはうちで作る」という状態になり、利用者本人から見ると支援がばらばらに見えてしまいます。

サービス等利用計画が担う役割

サービス等利用計画は、相談支援専門員が利用者の生活全体を見渡して作るものです。複数の事業所やサービスをどう組み合わせるか、生活の中でのサービスの位置づけはどうなっているかを、本人・家族の意向を踏まえてまとめます。福祉サービスだけでなく、医療や就労、家族の介護力、地域の社会資源なども視野に入れる点が特徴です。

事業所側から見ると、この計画は「なぜうちの事業所が選ばれ、どんな役割を期待されているか」を確認する材料になります。利用時間や頻度だけでなく、本人の生活史や家族の状況、他のサービスとの関係まで書かれていることが多いので、個別支援計画を作る前に一度読み込んでおくと、支援の方向性がぶれにくくなります。

個別支援計画が担う役割

個別支援計画は、事業所がサービス等利用計画に示された方向性を受けて、自分たちの事業所内でどう支援を組み立てるかを具体化するものです。生活介護であれば日中の活動の組み立て、就労支援であれば作業や訓練の内容、児童発達支援であれば5領域に沿った取り組みなど、事業所が実際に提供する支援の中身に踏み込みます。

ここで大事なのは、個別支援計画はサービス等利用計画の下請けではないという点です。事業所でしか分からない日々の様子、支援員が気づいた変化、記録に残っている小さな成功や失敗は、相談支援専門員には見えていません。個別支援計画の評価やモニタリングの内容を相談支援専門員に伝えることで、サービス等利用計画の見直しにもつながります。つまり、情報は相談支援専門員から事業所へ一方向に流れるのではなく、双方向でやり取りされるべきものです。

連携を仕組みにする

この役割分担を言葉で理解していても、日々の業務の中で意識し続けるのは簡単ではありません。担当者会議の前に個別支援計画の最新版を用意しておく、モニタリング時期をサービス等利用計画と個別支援計画で揃えておく、変化があったときはすぐ相談支援専門員に連絡する、といった基本的な動きを事業所内でルール化しておくと、担当者が変わっても連携が崩れにくくなります。

サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者が新しく着任したときや、相談支援専門員が交代したときは特に、この役割分担の説明が抜けやすい場面です。こうした基礎的な知識は、現場に新しく入ったスタッフにも共有しておきたいところですが、毎回時間を取って説明するのは負担になります。福ひろばラーニングでは、7分で読み終わるコースとして計画の役割分担や記録のつながりを扱っており、新人研修や振り返りの一つとして受講してもらう事業所もあるようです。

なお、モニタリングの頻度や会議の開催方法はサービス種別や自治体によって扱いが異なるため、細かい運用は指定権者への確認をおすすめします。

まとめ

サービス等利用計画は生活全体を見渡す計画、個別支援計画は事業所内の支援を具体化する計画という役割の違いを押さえておくと、担当者会議でのすれ違いは減ります。情報は一方向ではなく双方向でやり取りし、モニタリングの時期や連絡のルールを事業所内で仕組み化しておくことが、担当者が変わっても連携を保つ鍵になります。

出典・参考

▶ 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)

▶ WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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