サービス等利用計画と個別支援計画は何が違う?相談支援専門員との連携

サービス等利用計画と個別支援計画、同じに見えても役割は別

個別支援計画を作成するとき、サービス等利用計画のコピーのような内容になっていないでしょうか。総合的な援助方針や長期目標をそのまま転記して、担当者会議の議事録も形式的に残すだけ、という事業所もあるのではないでしょうか。

この二つの計画は、どちらも利用者の生活を支えるための書類ですが、書く人も目的も違います。サービス等利用計画は相談支援専門員が作成し、利用者の生活全体を見渡して、複数の事業所をどう組み合わせるかを示すものです。一方、個別支援計画は事業所のサービス管理責任者や児童発達支援管理責任者が、自分の事業所で提供するサービスの中身を具体的に書くものです。

この違いがあいまいなまま運用していると、運営指導の際に「個別支援計画に事業所独自の視点が入っていない」「サービス等利用計画との整合性が取れていない」といった指摘につながることがあります。役割の違いを理解したうえで、それぞれの計画がどうつながっているかを説明できるようにしておくことが大切です。

サービス等利用計画が示すもの、個別支援計画が示すもの

サービス等利用計画は、利用者の生活全体を俯瞰する書類です。本人や家族の意向、生活上の課題、複数のサービスをどう組み合わせて使うかという全体設計が書かれます。相談支援専門員は、利用者が複数の事業所を利用している場合、それぞれの事業所から提供される支援内容がかみ合うように調整する役割を担っています。

個別支援計画は、この全体設計を受けて、自分の事業所が担当する部分を具体化する書類です。たとえば就労継続支援B型であれば、サービス等利用計画に書かれた「安定した生活リズムを整える」という方針を受けて、作業日誌にどのような視点で記録を残し、どの作業をどの頻度で行うかを具体的に落とし込みます。生活介護であれば、日中活動の内容や、本人の状態に応じた支援の工夫を、担当者会議で共有された方針とつなげて書くことになります。

ここで大事なのは、個別支援計画がサービス等利用計画の下請けではなく、事業所の専門性を発揮する場だという点です。サービス等利用計画に書かれた大きな方針をそのまま写すのではなく、自分たちの事業所だからこそ提供できる支援の中身を、担当者会議で得た情報をもとに具体化していく。この作業ができているかどうかで、記録の質も変わってきます。

相談支援専門員との連携で事業所が気をつけたいこと

担当者会議は、サービス等利用計画と個別支援計画をつなぐ場です。会議に出席しても、その場で聞いた内容を個別支援計画にどう反映させるかまで意識できている事業所は、意外と少ないのではないでしょうか。

会議で相談支援専門員から伝えられる情報には、本人や家族の生活背景、他のサービス事業所での様子、今後の生活設計など、自分の事業所だけでは把握しきれない情報が含まれています。これを個別支援計画の作成や見直しのタイミングで、具体的な支援内容に落とし込む作業が必要です。会議に出席した記録を残すだけでなく、「この会議でどんな情報を得て、それを個別支援計画のどこに反映させたか」まで記録に残しておくと、運営指導の際にも説明がしやすくなります。

また、相談支援専門員からのモニタリングの際に、事業所側から支援記録や作業日誌をもとに具体的な状況を伝えられるかどうかも、連携の質を左右します。日々の記録が漠然としたものだと、相談支援専門員も次のサービス等利用計画にどう反映させればよいか判断しづらくなります。逆に、日々の記録が具体的であれば、サービス等利用計画の見直しにも生きてきます。

こうした計画間の役割の違いや連携のポイントは、新任のサービス管理責任者や児童発達支援管理責任者が最初につまずきやすいところでもあります。福ひろばラーニングでは、個別支援計画の書き方や相談支援専門員との連携を扱う7分で読み終わるコースを用意しています。新しく担当になった職員の受講にも使いやすい内容です。

まとめ

サービス等利用計画は生活全体を俯瞰する書類、個別支援計画は事業所の専門性を具体化する書類という役割の違いを押さえておくことが、連携の出発点になります。担当者会議で得た情報を個別支援計画にどう反映させたかまで記録に残すことで、運営指導での説明もしやすくなります。日々の支援記録の具体性が、相談支援専門員によるモニタリングや次の計画見直しにもつながっていきます。

出典・参考

▶ 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)

▶ WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

──────────

📚 福ひろばラーニングは、介護・障がい福祉のための研修eラーニングです。法定研修の実施と記録を1か所にまとめ、年間研修計画書と実施記録は管理画面からそのまま印刷できます。1人月220円(税込)。

▶ 実際のコースを無料で体験する

▶ 無料で相談する

──────────

この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

会社概要を見る →
← ブログ一覧へ