就労支援の作業日誌はどう書く?個別支援計画とつなげる記録の作り方

作業の場面は何を書けば記録になるか

就労継続支援B型や就労移行支援の現場では、毎日の作業日誌をつけている事業所がほとんどだと思います。ただ、作業日誌に「本日も作業に取り組まれました」「集中して作業されていました」とだけ書いて終わっている場合、その記録は個別支援計画の振り返りにはあまり使えません。

作業の場面で書いておきたいのは、本人が何をどこまでできたか、どんな支援があればできたか、という2点です。たとえば同じ軽作業でも、手順を見ながら一人でできたのか、職員が声かけをしたタイミングでやり直せたのか、途中で手が止まった場面があったのかによって、支援の必要度はまったく違います。「できた・できなかった」だけでなく、「どういう支援があったからできたか」を残しておくと、後から読んだときに支援の中身が見えてきます。

また、作業中の様子だけでなく、作業前後の様子も記録に残しておくと役に立ちます。朝の体調や気分の波が作業のペースに影響している場合、作業日誌の数字だけを追っていても背景が見えてきません。短い一言でも、作業前の様子を添えておくと、後でモニタリングをするときに原因を探りやすくなります。

B型・移行支援それぞれの作業日誌の視点

就労継続支援B型の作業日誌は、工賃算定の根拠としての役割と、支援記録としての役割の両方を持っています。作業量や作業時間を記録することは必要ですが、それだけで終わらせず、本人の取り組み方や体調の変化も一緒に残しておくと、工賃の記録と支援の記録を別々に管理せずに済みます。

就労移行支援の場合は、作業そのものよりも、作業を通じて何が身についてきたかという視点が重要になります。報告・連絡・相談の仕方、指示の受け方、作業の正確さやスピードの変化など、就労後の職場で求められる力がどこまで育ってきているかを記録していく必要があります。同じ作業内容が続いていても、取り組み方や本人の反応が変わってきているのであれば、それは記録として残す価値があります。

どちらのサービス種別でも共通して言えるのは、作業日誌は「その日の出来事」を書くだけのものではなく、積み重ねていくことで本人の変化を追えるものにしておく、という点です。1日分だけを見て判断するのではなく、数週間分を並べて読んだときに、成長や変化の方向性が見えるかどうかを意識して書いておくと、後の振り返りがしやすくなります。

作業日誌を個別支援計画・モニタリングにつなげる

作業日誌をつけていても、個別支援計画の作成やモニタリングのタイミングで見返されていない事業所もあるのではないでしょうか。日々の記録と計画が別々の書類として存在しているだけでは、せっかくの記録がもったいない状態になってしまいます。

個別支援計画には、本人の希望や課題に対して、どんな支援を行い、どんな結果が出たかを書く欄があります。この「どんな結果が出たか」の部分は、本来は作業日誌の積み重ねから拾ってくるものです。モニタリングの時期になってから数か月分の作業日誌をまとめて読み返すのではなく、日々の記録をつける段階から、計画に書いた目標に対応する形で書いておくと、後の作業がぐっと楽になります。

具体的には、個別支援計画に挙げた目標や支援内容のキーワードを、作業日誌のフォーマットの中にも項目として置いておく方法があります。たとえば「報連相の定着」が目標であれば、作業日誌にもその項目を設けておき、該当する場面があったときだけ一言書く、という運用です。毎日書く量を増やさずに、計画とのつながりだけは保てるようにしておく工夫です。

こうした記録の書き方や計画とのつなげ方は、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者になったばかりの職員にとっては特に迷いやすいところです。福ひろばラーニングでは、個別支援計画の記録の残し方やモニタリングの考え方を整理した7分で読み終わるコースを用意しています。新しく配属された職員が自分のペースで受講できる形にしておくと、記録の書き方を一から口頭で説明する手間を減らせます。

まとめ

作業の場面を記録するときは、できた・できなかっただけでなく、どんな支援があったからできたかを残すことが大切です。B型は工賃の根拠と支援記録を一緒に書き、移行支援は就労後に必要な力の変化を追う視点を持つと記録が生きてきます。個別支援計画の目標を日々の作業日誌の項目にも反映させておくと、モニタリングの負担を減らせます。

出典・参考

▶ 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)

▶ WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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