認知症介護基礎研修の義務化、無資格者の受講管理はどう仕組みにする?
通所介護の現場で、採用のたびに無資格の介護職員が増えていき、誰が認知症介護基礎研修を受け終わっていて誰がまだなのか、採用担当と現場リーダーの間で情報が食い違ってしまう、という事業所もあるのではないでしょうか。名簿はあっても更新が追いつかず、運営指導の直前になって慌てて確認する、という状態に心当たりがある方も多いと思います。
認知症介護基礎研修の義務化で何が対象になるか
認知症介護基礎研修は、介護福祉士などの資格を持たない介護職員を対象に、受講が義務付けられています。対象になるサービス種別や、経過措置の扱い、受講させるべき職員の範囲は、自治体や事業形態によって細かい違いがあるため、サービス種別や自治体によって異なる点は指定権者にご確認ください。
重要なのは、この研修が「資格を持たない職員」を対象にしている点です。介護福祉士や実務者研修修了者など、一定の資格を持つ職員はすでに認知症に関する学習を経ているため対象外とされることが一般的ですが、無資格でパートとして入ってきた職員、異業種から転職してきた職員は対象になります。通所介護のように入れ替わりが比較的多いサービスでは、この「誰が対象者か」を把握し続けること自体が管理者の負担になります。
無資格者をどう洗い出すか
受講管理の第一歩は、対象者を正確に洗い出すことです。採用時に資格証の写しを提出してもらい、無資格であれば「認知症介護基礎研修 未受講」のステータスで職員名簿に記録する、という流れを採用フローに組み込んでおくと、後から探す手間が減ります。
よくあるのは、採用担当と研修担当が別の人で、情報が引き継がれないまま数か月が過ぎてしまうケースです。採用時のチェックリストに「認知症介護基礎研修の対象者か」という項目を一行加えるだけでも、漏れはかなり減ります。資格証の有無だけでなく、介護職員初任者研修修了者やそれに準じる研修修了者の扱いについても、事業所としての判断基準を文書化しておくと、担当者が変わっても同じ基準で運用できます。
既存の職員についても、年に一度は名簿を見直し、未受講のまま在籍している職員がいないかを確認するタイミングを決めておくことをおすすめします。年度初めや処遇改善加算の計画を見直す時期に合わせると、他の手続きとまとめて確認できて手間が増えません。
受講管理と記録をどう残すか
対象者が分かったら、次は期限管理です。経過措置の期限や自治体ごとの猶予期間は異なるため、いつまでに受講を終えるべきかを職員ごとに一覧化しておくと、抜け漏れに気づきやすくなります。エクセルの名簿に「対象」「受講予定日」「受講完了日」の列を作るだけでも、管理者が一目で状況を把握できる状態になります。
受講そのものの負担も考えておく必要があります。無資格の職員は夜勤や早出など勤務が不規則なことも多く、集合研修の日程を合わせるのが難しい事業所もあると思います。福ひろばラーニングのように、7分で読み終わるコースを少しずつ進められるeラーニングであれば、勤務の合間に自分のペースで受講でき、受講履歴もシステム上に残るため、管理者が一人ひとりの進捗を確認する手間も軽減されます。記録を紙の名簿とシステムの両方で二重管理すると更新が追いつかなくなるので、どちらか一方を正とする運用ルールを決めておくことも大切です。
記録として残すべきものは、受講完了日、受講内容の証明(修了証や受講履歴)、対象者かどうかの判断根拠の三つです。運営指導では「対象者を正しく把握しているか」「期限内に受講させているか」が確認されることが多いため、対象者リストと受講履歴がいつでも突き合わせられる状態にしておくと、問い合わせがあっても慌てずに対応できます。
まとめ
認知症介護基礎研修の義務化は、対象者の洗い出しと期限管理ができていれば、特別に難しい対応ではありません。採用時のチェック、年に一度の名簿見直し、受講履歴の一元管理という三つを仕組みにしておけば、担当者が変わっても同じ基準で回せます。対象範囲や期限の細かい扱いは自治体によって差があるため、迷ったときは指定権者に確認しながら、自事業所のルールを文書に残しておくことをおすすめします。
出典・参考
※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。
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