ハラスメント対策の措置、研修と相談窓口は運営指導で何を見られる?

運営指導の案内にハラスメント対策の文字を見つけたら

運営指導の事前案内が届いて、持参書類の一覧にハラスメント対策に関する項目が入っていた、という事業所もあるのではないでしょうか。就業規則や相談窓口の設置状況、研修の実施記録まで確認されると知って、何を揃えればよいか迷う管理者の方もいると思います。

介護・障がい福祉の事業者には、職場におけるハラスメント防止のための措置を講じることが求められています。方針の明確化と周知、相談窓口の設置、相談があった場合の適切な対応、そしてこれらを支える研修の実施です。利用者や家族からのハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントについても対応を整理しておくことが望ましいとされています。運営指導では、これらの措置が「書類として存在するか」だけでなく、「職員に伝わっているか」まで見られる場面があります。

研修は実施した記録を残す

ハラスメント対策の研修は、一度実施して終わりではなく、誰がいつ受講したかを記録として残しておく必要があります。確認されやすいのは次のような点です。

  • 研修のテーマがハラスメント防止であることが分かる資料(タイトル・配布資料・コースの内容が分かるもの)
  • 受講者の氏名と受講日
  • 新しく入った職員や、非常勤・パート職員への実施状況
  • 定期的に繰り返し実施しているか、一度きりで終わっていないか

特に非常勤職員は出勤日がそろわず、集合研修の日に参加できないまま未受講になっているケースが起こりやすいところです。ここは、都合のよい時間に各自で読んで受講できる形にしておくと、記録の抜けを減らしやすくなります。福ひろばラーニングのような読むかたちのeラーニングであれば、7分で読み終わるコースを使って、勤務の合間に受講してもらい、受講履歴をそのまま記録として残すという運用もできます。研修の有無だけでなく「誰が受けていないか」をすぐ把握できる状態にしておくことが、運営指導の場でも説明しやすくなります。

相談窓口は「設置している」だけでは足りない

相談窓口についても、名前だけの設置になっていないかが確認されます。見られやすいのは次のような点です。

  • 相談窓口の担当者が誰か、職員に周知されているか
  • 相談した職員が不利益な扱いを受けないことが明文化されているか
  • 相談を受けた場合の対応の流れが決まっているか
  • 実際に相談があった場合の記録の取り方が整理されているか

相談窓口は、就業規則や掲示物に記載しているだけでは不十分で、職員がその存在を知っていることが前提になります。入職時のオリエンテーションや研修の中で、相談窓口の連絡先と役割を伝える機会を作っておくと、周知の実態として説明しやすくなります。また、相談があった場合にどこまでをどの記録に残すかは、個人情報の扱いも絡むため、事前に様式を決めておくと対応にばらつきが出にくくなります。

運営指導で問われるのは「仕組みになっているか」

運営指導では、ハラスメント対策について規程の有無を確認したうえで、実際にどう運用されているかを質問される場面があります。研修をいつ実施したか、相談窓口の周知方法、相談があった場合の記録の保管場所などです。担当者が答えられないと、規程はあっても運用されていないと受け取られかねません。

管理者・教育担当としては、研修の実施記録、相談窓口の周知資料、相談対応の様式をひとまとめにしておき、誰が聞かれても同じように説明できる状態を作っておくことが実務的な対策になります。サービス種別や自治体によって確認の重点が異なる部分もあるため、詳細は指定権者に確認しておくと安心です。

まとめ

ハラスメント対策の措置は、方針の周知・相談窓口の設置・研修の実施がそろって初めて機能します。運営指導では、書類の有無だけでなく、研修の受講記録や相談窓口の周知の実態まで確認される場面があります。非常勤職員も含めた受講記録と、相談対応の様式をあらかじめ整理しておくことが、日々の運用と運営指導の両方に役立ちます。

出典・参考

▶ 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省)

▶ WAM NET(福祉・保健・医療の総合情報サイト)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

──────────

📚 福ひろばラーニングは、介護・障がい福祉のための研修eラーニングです。法定研修の実施と記録を1か所にまとめ、年間研修計画書と実施記録は管理画面からそのまま印刷できます。1人月220円(税込)。

▶ 実際のコースを無料で体験する

▶ 無料で相談する

──────────

この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

会社概要を見る →
← ブログ一覧へ