BCP机上訓練のシナリオはどう作る?2時間の進め方と記録項目
BCP机上訓練、何から準備すればいいか迷っていませんか
年に一度はBCPの訓練をしなければならない、ということは分かっていても、いざ当日になって何をするか決まらないまま迎えてしまう、という事業所もあるのではないでしょうか。災害を想定した訓練というと避難訓練のような動きを伴うものを思い浮かべがちですが、BCPの訓練には机上訓練という形もあります。参加者が集まって、災害やシステム障害などの状況を想定し、BCPに沿ってどう動くかを話し合う形式です。体を動かす訓練より準備の負担が少なく、2時間程度で1サイクル実施できます。
今回は、実施すべき回数の話ではなく、2時間の机上訓練を実際にどう組み立て、何を記録に残すかという中身に絞って整理します。
2時間の中身を4つのパートに分けて設計する
机上訓練は、ただ集まって「もし災害が起きたら」と話すだけでは、時間が間延びしてしまいます。あらかじめ時間配分を決めておくと進行しやすくなります。
ひとつの目安として、次のような構成があります。
- オープニング(10分):訓練の目的と、今日想定する状況を共有する
- シナリオ提示とグループ検討(50分):災害やライフライン停止、職員不足などの条件を具体的に提示し、BCPの記載内容に沿ってどう動くかをグループで検討する
- 発表・意見交換(40分):各グループが検討した内容を発表し、他のグループと意見を交換する
- 振り返り(20分):話し合いの中で見えてきた課題を整理し、次に何をするか確認する
シナリオは、地震や水害など自治体のハザードマップに合わせたものでも構いませんし、感染症の拡大で複数名が同時に出勤できなくなった、といった設定でも構いません。重要なのは、現実的な制約を具体的に書き込むことです。「職員が半分しか出勤できない」「固定電話が使えない」「利用者宅への訪問ができない」など、条件を細かくするほど、BCPに書かれている対応が実際に機能するかどうかが見えてきます。
記録に残す項目
机上訓練を実施したら、その場で終わらせず、記録として残しておく必要があります。運営指導の際にも、実施した事実だけでなく中身を確認されることがあるため、次のような項目を押さえておくと安心です。
- 実施日時、場所、参加者の職種と人数
- 使用したシナリオの内容(想定した状況、提示した条件)
- 検討した項目(安否確認の方法、サービス継続の可否判断、代替手段の確認など)
- 話し合いの中で出てきた課題や、BCPの記載と実態がずれていた点
- 次回までに対応する事項と、担当者
- 訓練に参加できなかった職員への共有方法
これらを議事録の形でまとめておくと、次の訓練や、BCP自体の見直しのときにそのまま使えます。課題を書きっぱなしにせず、次回までの対応方針と担当を明記しておくことで、訓練が一回きりのイベントで終わらず、BCPの改善につながっていきます。
訓練当日にシナリオ検討をスムーズに進めるには、参加する職員がBCPの基本的な考え方を同じレベルで理解しておくことも助けになります。福ひろばラーニングでは、BCPの基礎知識を整理した7分で読み終わるコースを用意しており、訓練前の事前学習として受講してから当日を迎える事業所もあります。読むかたちのeラーニングなので、勤務の合間に各自のタイミングで進められる点も使いやすいところです。
まとめ
BCP机上訓練は、2時間を「提示・検討・発表・振り返り」の4パートに分けて設計すると進行しやすくなります。記録には、シナリオの内容と検討項目、見つかった課題、次回までの対応方針を具体的に残しておくことが大切です。訓練を一度きりで終わらせず、BCPの見直しにつなげる仕組みとして位置づけておきましょう。
出典・参考
▶ 介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修資料・動画(厚生労働省)
▶ ひな形(例示入り)を活用したBCP(業務継続計画)の作り方(厚生労働省)
※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。
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