特定技能「介護」評価試験と日本語試験、来日前にどこまで準備できる?

候補者の試験結果を見て、何を聞かれているのか説明に困ったことはありませんか

送り出し機関や登録支援機関から候補者の試験合格通知が届いたとき、「技能評価試験」と「日本語評価試験」、それに「JFT-Basic」や「JLPT」という名前が並んでいて、どれが何を測っているのか説明に手間取ったという方もいるのではないでしょうか。受け入れ事業所の管理者であれば、面接で見た候補者の様子と、手元の合格証の内容が結びつかないこともあると思います。特定技能「介護」で日本に来るまでに、母国でどこまでの知識と日本語力が試されているのかを、採用面接や受け入れ準備の場で聞かれたときに答えられるよう整理しておきます。

技能評価試験と日本語評価試験、それぞれ何を問うのか

介護分野で特定技能1号になるには、介護特定技能評価試験(技能評価試験・日本語評価試験)と、JFT-BasicまたはJLPT N4以上の日本語試験、両方への合格が必要です。介護職種の技能実習2号を良好に修了した人、介護福祉士養成施設を修了した人、EPA介護福祉士候補者として4年間の在留期間を満了した人は、この介護特定技能評価試験が免除されます。令和8年3月実施分までは「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」という名前でしたが、同年4月実施分からは「介護特定技能評価試験(技能評価試験・日本語評価試験)」という表記に変わっています。

技能評価試験は60分45問で、学科40問(介護の基本、こころとからだのしくみ、コミュニケーション技術、生活支援技術)と、写真などを見て正しい介護の手順を判断する実技5問で構成されます。水準は介護職種の技能実習2号修了相当とされ、現場でよくある場面を想定した出題です。日本語評価試験は30分15問で、「介護のことば」「介護の会話・声かけ」「介護の文書」が各5問。こちらは日本語で出題され、現場での業務に支障がない程度の日本語力を測るものです。

技能評価試験は現地語で出題されるため、母国にいながら内容を理解して準備することができます。一方で日本語評価試験は日本語そのもので出題されるため、介護の知識と日本語力を切り離して準備する必要がある、という点を関係者間で共有しておくと誤解が減ります。

母国でどこまで準備できるか、試験の仕組みから見る

技能評価試験はCBT方式で原則毎月実施され、協力覚書作成国のうちJFT-Basicの実施環境が整った国と、日本国内で実施されます。受験できるのは17歳以上です。2か月先(60日後)まで予約でき、受験後45日間は次の受験ができません。結果は試験終了時に画面に表示され、5営業日以内を目途にウェブで取得できます。

JFT-Basicは主に就労のために来日する人の生活場面での日本語力を測るCBTで、こちらも原則毎月実施、約50問・60分、「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションです。設問は英語表示が基本ですが、ベトナム語・インドネシア語・ネパール語・ミャンマー語などの現地語をボタンで呼び出して読むことができます。出入国在留管理庁は、特定技能1号や育成就労の在留申請でJLPT N4・N5を受けようとしている人に対し、JFT-BasicのA2.2やA1の合格でも要件を満たすとして活用を勧めています。JLPTは受付が早期に締め切られる回もあり、スケジュールを早めに組むことが母国での準備の前提になります。合格基準や受験料など最新の要件は出入国在留管理庁・厚生労働省の案内でご確認ください。

母国語教材をどう使うか

技能評価試験が現地語で出題される以上、母国語で内容を理解できる教材を使うことが、学習の土台になります。厚生労働省は補助事業として、介護特定技能評価試験の学習用テキスト(令和8年度からの試験に対応した改訂2版)を日本語と14言語で公開しています。また、日本介護福祉士会のWEB教材「にほんごをまなぼう」は、日本語能力試験N3程度の合格や特定技能評価試験対策を目的に、誰でも無料で使えるものです。これらは来日前の自主学習や、送り出し機関での集合学習の教材として組み込みやすい資料です。

受け入れ事業所の側でも、入国後や配属後の学び直しを考えるなら、母国語の訳が付いた教材が役に立ちます。当社が提供する福ひろばラーニングの介護職初級15コースは、英語・ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語・中国語で読める構成になっており、7分で読み終わるコースを自分のペースで受講できます。来日前に学んだ内容を、配属後に同じ言語で振り返る、という使い方ができます。

まとめ

介護特定技能評価試験は現地語で出題され、日本語評価試験とJFT-BasicまたはJLPTは別に日本語力そのものを測ります。技能評価試験はCBT方式で毎月実施され、母国にいながら準備と受験ができる仕組みです。厚生労働省の14言語テキストや日本介護福祉士会の無料教材を使えば、来日前の学習範囲をかなり母国語でカバーできます。関係者間で試験の構造を共有しておくと、採用面接や受け入れ準備の説明がスムーズになります。

出典・参考

▶ 外国人介護人材の受入れについて(厚生労働省)

▶ 介護分野における特定技能外国人の受入れについて(厚生労働省)

▶ 特定技能制度(出入国在留管理庁)

※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。

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この記事の監修
監修者 塙 啓之
塙 啓之はなわ ひろゆき
株式会社はなひろ 代表取締役

介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県でデイサービスなどの介護事業所を運営。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。現場と経営の両方の視点から、福ひろばラーニングの全コース・記事を監修しています。

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