第38回介護福祉士国家試験、外国人受験者の合格率はどう読む?
合格発表の後、こんな確認をしていないでしょうか
令和8年3月16日に第38回介護福祉士国家試験の結果が発表されました。登録支援機関や監理団体の担当者であれば、受け入れている候補者やその家族から結果の連絡を受け、次にどう動くかを考えるタイミングだと思います。受け入れ事業所の管理者であれば、今年受験したスタッフの結果を見て、来年度の学習体制をどう組むか考え始める頃ではないでしょうか。
このときに知りたいのは、「自分の施設の結果が全体的に見てどうだったのか」という位置づけです。感覚ではなく、公表されている数字で確認しておくと、次の学習計画を立てる根拠になります。
第38回全体とEPA候補者の数字
第38回介護福祉士国家試験は令和8年1月25日に35都道府県で実施され、受験者78,469人、合格者54,987人、合格率は70.1%でした。合格基準は125点満点で64点以上、かつ11の科目群すべてで得点があることです。
このうちEPA介護福祉士候補者は1,196人が受験し、380人が合格、合格率は31.8%でした。全体の70.1%と比べると38.3ポイント低い結果です。内訳を見ると、初めて受けた人の合格率は44.8%(237人合格)、再受験の人は21.4%(143人合格)で、初回受験のほうが高くなっています。
EPA候補者の合格率は年によって動きがあり、第34回36.9%、第35回65.4%、第36回43.8%、第37回37.9%、第38回31.8%と推移しています。同じ回の全受験者の合格率(72.3%、84.3%、82.8%、78.3%、70.1%)と比べても、EPA候補者の合格率は毎回低く出ています。これは特定の年や特定の候補者層の評価というより、制度上の傾向として押さえておく数字です。
第38回のEPA候補者を国別に見ると、インドネシア602人中185人(30.7%)、フィリピン461人中92人(20.0%)、ベトナム133人中103人(77.4%)が合格しています。数字には幅がありますが、これは出身国の優劣を示すものではなく、年ごとの受験者構成や試験内容との相性によって変動する結果として見るのが妥当です。
特定技能・技能実習・留学生のルート別の数字
厚生労働省の「受験者・合格者の推移」資料では、在留資格の区分ごとの数字も示されています。「特定技能1号」の区分は、第38回が受験者10,406人・合格者3,435人(33.0%)、第37回が4,932人・1,643人(33.3%)、第36回が1,950人・751人(38.5%)でした。受験者数は回を追うごとに増えていますが、合格率は30%台で推移しています。
「技能実習」の区分は、第38回が受験者517人・合格者227人(43.9%)、第37回が155人・50人(32.3%)、第36回が596人・280人(47.0%)です。こちらは年によって合格率の振れ幅が大きく出ています。
養成施設ルートについても数字があります。受験者7,824人(合格率58.8%)のうち、留学生受験者(在留資格が留学、または在学時に留学だった人)は4,461人中1,540人が合格(34.5%)、留学生を除く受験者は3,363人中3,063人が合格(91.1%)でした。同じ養成施設ルートの中でも、留学生とそれ以外で合格率に大きな差があることが分かります。
これらの数字を並べると、「外国人材」とひとくくりにするのではなく、EPA・特定技能・技能実習・留学生という在留資格やルートごとに、受験の条件も合格率の傾向も異なることが見えてきます。受け入れている人材がどのルートに該当するかによって、学習計画の立て方も変わってくるはずです。
数字をどう次の学習計画に活かすか
第38回では、一部の科目群だけ基準に達した「パート別合格」の人数も公表されています。Aパート3,935人、Bパート1,509人、Cパート6,181人(一部重複)で、パート別合格は翌年・翌々年まで有効です。合格に届かなかった候補者がいる場合、どのパートまで基準を満たしているかを確認し、残りの範囲に学習を絞るという考え方ができます。
外国籍の人や日本に帰化した人は、受験申込時に申請すれば、すべての漢字にふりがなを付けた問題用紙を使い、試験時間が通常の1.5倍になる制度があります(EPA介護福祉士候補者は申請不要です)。この制度を知らずに申請していないケースもあるかもしれませんので、次の第39回(令和9年1月31日実施予定)に向けて、受験予定者に案内しておく価値はあると思います。最新の要件は出入国在留管理庁・厚生労働省の案内でご確認ください。
学習面では、日本語の問題文を読み解く力が合格率の差に影響している可能性がうかがえます。福ひろばラーニングの介護福祉士の受験対策(1,000問)は、日本語の問題の下にミャンマー語の訳を出せる形になっており、問題文の理解につまずいている人の学習を支える一つの方法として使えます。
まとめ
第38回介護福祉士国家試験は、全体の合格率70.1%に対し、EPA候補者31.8%、特定技能1号33.0%、技能実習43.9%、留学生34.5%と、ルートによって異なる数字が公表されています。国別・年別の数字にも幅があり、どれか一つを一般化して語るのは難しいところです。受け入れている候補者がどのルートに該当するかを確認し、公表資料の数字をもとに次の学習計画を立てていくことが、今できる実務的な対応だと思います。
出典・参考
▶ 第38回介護福祉士国家試験の合格発表について(厚生労働省)
▶ 介護分野における特定技能外国人の受入れについて(厚生労働省)
※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。
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