個別支援計画はサビ管が作成?関与を記録でどう示すか
作成者欄に名前があるだけで十分と言えるか
個別支援計画の様式を見返したとき、作成者欄にサービス管理責任者の名前が記載されている。それだけで「サービス管理責任者が作成した」ことを示せていると考えている事業所もあるのではないでしょうか。
個別支援計画は、サービス管理責任者が一人で最初から最後まで書き上げるものではありません。アセスメントは支援員が聞き取り、原案の叩き台を他のスタッフが作ることもあります。それ自体は問題ではなく、むしろ現場の情報を集める上では自然な流れです。ただし、どの段階でサービス管理責任者が確認し、どこに意見を反映させたのかが記録に残っていないと、運営指導の場で「名前だけの作成者」と見られてしまう可能性があります。
個別支援計画の5領域で何を書くかという話はよく話題になりますが、今回取り上げたいのは中身そのものではなく、誰がどう関わって仕上げたかという工程の記録です。ここが抜けていると、計画の質がどれだけ良くても、サービス管理責任者の責任の所在があいまいなまま運営されている事業所に見えてしまいます。
どの工程で関与を残すかを先に決めておく
関与を記録で示すためには、個別支援計画のプロセスのどこにサービス管理責任者が関わるかを、事業所内であらかじめ決めておくことが前提になります。主な工程は次のとおりです。
- アセスメントの内容確認(支援員が聞き取った情報をサビ管が確認した記録)
- 個別支援計画会議への参加と発言内容
- 原案の修正指示(誰が何を直したか分かる履歴)
- 本人・家族への説明と同意取得の場への同席または事前確認
- モニタリングでの評価内容の確認
すべての工程に毎回フルで関わるのは、事業所の規模や職員体制によっては難しい場合もあります。だからこそ、どの工程は必ずサービス管理責任者が確認する、どの工程は委任できるのかを事業所内で整理し、それを記録の様式にも反映させておくことが大切です。たとえば会議記録に「サービス管理責任者の発言」という欄を設けるだけでも、関与の痕跡はぐっと残しやすくなります。
記録に残す具体的な工夫
関与を示す記録は、特別な書類を新たに作る必要はありません。既存の書類に一手間加えるだけで十分な場合がほとんどです。
個別支援計画会議の議事録には、出席者欄だけでなく「誰が何を発言したか」を簡潔にでも書き添えます。サービス管理責任者が原案に修正を入れた場合は、修正前後が分かるように履歴を残すか、別紙にメモを添付しておきます。本人への説明の場にサービス管理責任者が同席できない場合は、説明前に内容を確認したこと、説明後に報告を受けたことを一行でも記録に残しておくと、後から見返したときに関与の流れが追えます。
モニタリングについても同様です。サービス管理責任者がモニタリング結果を確認し、次の計画にどう反映させるかを判断した痕跡があると、計画の見直しが形だけでなく実質的に機能していることを示せます。
こうした記録の残し方は、児童発達支援管理責任者が関わる計画でも同じ考え方が使えます。誰が、どの工程で、何を確認し、何を判断したか。この三点を意識して記録を積み重ねていくことが、関与を証明する最もシンプルな方法です。
職員によって記録の残し方にばらつきが出やすい部分でもあるので、福ひろばラーニングの個別支援計画に関するコースを事業所内の研修として使い、作成プロセスにおけるサービス管理責任者の役割を全員で確認しておくと、記録の書き方自体も揃いやすくなります。7分で読み終わるコースなので、会議の前後の時間に受講してもらうこともできます。
まとめ
個別支援計画の作成者欄に名前があるだけでは、サービス管理責任者の関与を示したことにはなりません。アセスメント確認、会議での発言、修正指示、説明への同席、モニタリングの確認といった工程のどこかに、関わった痕跡を記録として残すことが必要です。どの工程を必ず確認するかを事業所内で決めておき、記録の様式に反映させることで、運営指導でも自信を持って説明できる体制に近づきます。
出典・参考
▶ 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について(厚生労働省)
※制度の取り扱いは改定や自治体の運用で変わることがあります。実際のご対応は指定権者にご確認ください。
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